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[保存版] 買ってしまう心理学 11の実例

※本記事は「App Unity」からご提供を受けております。著作権は提供各社に帰属します。

はじめに

先日、JR東日本の駅構内を歩いていたらこんなポスターが目に入ってきました。JRE POINT 6,000ポイントでおすすめの4つの駅の「どこかにビューーン!」と新幹線で向かう新しい旅という内容でした。

JR東日本ポスター

人間というものは、どうしても頭の中で想像ができる場所しか旅行に行かなくなります。トラベル予約サイトに行ってもトップページに検索窓があり、知っている範囲でしか検索しなくなります。それに対してまるでガチャガチャのように「なにが出るのかわからない」というドキドキと、これまで自分が考えたこともなかった場所が提示されてることによる開拓する歓びが生まれる点がとてもワクワクする仕組みだと思いました。
また、同じ旅の軸ではピーチ・アビエーションも5,000円を支払ってガチャガチャを回す行き先を選べない旅「旅くじというものを展開しています。

peach旅くじ

ピーチの「旅くじ

実はこれはどこに行くか分からないからこそ生まれるワクワクであり、これこそ「不便益」のマーケティングなのです。「不便益」とは不の便益ではなく、不便によって得られる益のことで、元 京都大学大学院情報学研究科教授の片井修氏が使い始めた言葉だといいます。米国ではアナログレコードの売上が年々伸びていることも、DJ人口が増えていることよりも、まさに「不便」によって得られる益を求めているのかもしれません。

グラフデータ

Vinyl revival

今回はこうした再現性の高い消費者が思わず買ってしまう本能直撃型マーケティング手法や理論をご紹介したいと思います。かのシュンペーターがいうところの「新結合(イノベーション)」を起こす一助になることを願っております。

更新:
2023年05月19日

COLUMN INDEX

プロスペクト理論

プロスペクト理論とは、「人間は合理的な判断ができない」という理論でマーケティングやビジネスに応用されています。プロスペクト理論では、「人は損失を避けようとする習性がある」と考えられています。言い換えると人は得をするよりも損をすることが嫌という理論です。この損失を避けようとする人間の思考の習性を、「損失回避性」と呼びます。

プロスペクト理論を活用した実例としては、店頭や通販でよく見かける「期間限定」商品や、「残りわずか、お早めに」というキャンペーンがあげられます。人間は損失を嫌うため、この機会をのがしたら二度と手に入らないかもしれないと感じると買ってしまうという心理をついた打ち手と言えます。
その他、美容系では「この化粧品に含まれる成分が不足すると、肌が老化してしまいます」というようなキャッチコピーや、金融商品であれば「今から資産運用をしておかないと、老後の生活が心配ですよ」というような恐怖や損失を煽るキャッチコピーとして活用されます。また、「商品にご満足頂けない場合は全額返金いたします」、「修理保証をつける」といった手法も実はプロスペクト理論に基づいているのです。最近ではECのための延長保証サービス「Proteger」が大型の調達をしており注目されています

また、損したくない心理は、よく考えた結果の将来の利益よりも、目先の利益を優先する心理とも結びやすくそれを「現在志向バイアス」と呼びます。その現在志向バイアスという行動経済学を利用したサービスとして伸びているのが「BNPL(Buy Now Pay Later) 決済」です。BNPLは過去の支払履歴などデータ分析を機動的に行い、きめ細かく与信枠を判断して買い物代金を肩代わりし、利用者にとっての後払い決済を実現するサービスです。BNPL(後払い)の代表的なサービスとしては「NP後払い」があげられます。

ウィンザー効果

ウィンザー効果とは、第三者から得た情報のほうが直接的なアピールよりも信じやすい信頼性を獲得しやすいとする心理効果です。ウィンザー効果という言葉の由来は、作家アーリーン・ロマネスのミステリー小説『伯爵夫人はスパイ』の中に登場するウィンザー伯爵夫人の「第三者の褒め言葉がどんな時も一番効果があるのよ、忘れないでね」という台詞がからきています。
ウィンザー効果の代表格はECサイトのレビューです。価格.com、Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングをはじめ、多くのモールやECがレビューを導入しています。Amazonは、優秀なレビュアーだけに新商品を提供して、レビューを書いてもらうAmazon Vineという仕組みも展開しています。Shopifyにもレビューを記載できるアプリがあり、レビューを書いてもらうとポイントなどのインセンティブを付与できる「どこポイ」というアプリもあります。

授かり効果(endowment effect)

授かり効果とは、一度所有するとそれを手に入れる以前に支払ってもいいと思っていた以上の犠牲を払ってでも、所有物を手放したがらない現象をさします。この効果を活用した代表例として、1ヶ月間設置無料のウォーターサーバーなどがあげられます。

松竹梅の法則(ゴルディロックス効果)

松竹梅の法則とは、「一番高い商品が品質が高いのだろうが、失敗だったときの後悔も大きい…」と考え、その一方で「一番安い商品を選ぶのは情けない」といった見栄が生まれることで、「失敗だったときの損失が少なく」かつ「プライドを保つことができる」真ん中の価格が選ばれやすくなるという理論です。価格が高い順に松竹梅と並べられた商品・サービスを消費者が購入する割合は一般的に「松:竹:梅=2:5:3」程度になるとされています。「オリジン弁当」では、1種類だった幕の内弁当を並450円、上490円、特上690円の3種類にしたことで、490円の上が一番売れるようになり、幕の内弁当全体の売上を70%以上伸ばしたという事例があります。

ジャムの法則

米コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授が、スタンフォード大学の大学院生時代に行った有名な実験があります。ジャムの品揃え数に定評のあるサンフランシスコのスーパーで行われ、スーパーのオーナーはその品揃えの数こそが売り上げに直結していると考えていました。
シーナ・アイエンガーはこの豊富な品揃えを売りにしたスーパーで試食コーナーを設けて「たくさんのジャムを試食したもらった場合」と「少ない数のジャムを試食してもらった時」のジャムの売り上げを比較しました。結果は「少ない数のジャム」を試食してもらったときの方がなんと10倍も多くジャムが売れたのです。より多くの選択肢がある方が自分の好みが見つかり購入につながるというのが”選択の自由”を基礎とした経営戦略であるはずなのに実際には少ない選択肢である方が消費者はジャムを買って行ったわけです。実際には「選択疲れ」に陥っていたのです。詳しくはシーナ・アイエンガー教授の書籍「選択の科学」にて。

ナッジ理論

ナッジとは、相手に選択の自由を残しつつ、より良い選択を気分良く選べるように「そっと後押し」を促すことです。具体例としては、東急バスが運行しているバスの一台ずつの「混雑状況」をウェブやバス停留所に設置されているデジタルサイネージでも確認ができるようにしました。この仕組みにより「一本待てば密にならずに座って乗ることができそうだ」などと判断ができるようになりました。
また、スシローなどのファミレスでもどの店舗がどれぐらい待ち組数がいるのか見えるようになったことで、お客さまが自身で空いている店舗に行く判断ができるようになりました。ナッジ理論は2008年に、米国の経済学者のリチャード・セイラー教授と法学者のキャス・サンスティーン教授によって提唱されました。なお、リチャード・セイラー教授は2017年にノーベル経済学賞を受賞しています。

バスの案内イメージ

東急バス「バス車内リアルタイム混雑情報案内の概要」より

ザイオンス効果

ザイオンス効果とは、特定の人物や物事に何度も繰り返し接触することで、好感度や評価が高まっていくという心理的傾向を表す言葉です。 アメリカの心理学者ロバート・ザイオンスによって1968年に発表されました。最も身近なザイオンス効果の実例は、テレビCMでしょう。 テレビCMは、一定の期間内に何度も何度も放送されます。 最初は商品に興味のなかった視聴者も、繰り返しCMを見ることによって徐々に興味が高まっていき、売上の向上に繋がっていくのです。

プライミング効果

プライミング効果とは、「人が最初に見たものから刺激を受け、無自覚なまま行動を起こす」ことを示した心理効果の名称です。プライミング効果の代表例としては、脂っこい食事後に飲むのが定番となったトクホのお茶があげられます。

アンカリング効果(Anchoring Effect)

アンカリング効果とは、最初に与えられた数字を基準に考えることで、その後に提示された別の数字への認識が異なるという現象です。 心理学における認知バイアスの一つです。テレビ通販ではよくその現象を活用しています。「こちらの新商品がなんと5万円! いえいえもっと下げます。本日だけの特別ご提供価格、半額の2万5千円でいかがでしょうか? しかも送料と金利手数料は弊社が負担いたします。放送終了後30分間の限定価格です!」また、値引きシールをあえて重ねてはられていることで、利得が複数可に分けられていることを印象づけるのに役立っています。なお、活用する際は景品表示法などをしっかり守りましょう。

エンダウド・プログレス効果

エンダウド・プログレス効果とは、目標へ前進したと感じると士気があがり努力を続けようとする効果をさします。分かりやすい活用事例では、スタンプの個数に応じて特典が得られるスタンプカードがあげられます。

フットインザドア効果(一貫性の原理)

フットインザドア効果とは、自ら決めたことを最後まで貫こうとしてそれに反する行動を避ける効果をさします。代表定期な例をあげますと、店頭で開催されている参加無料のくじ引きに参加したり、アンケートを記入するという「小さな要求」に承諾したために、商品の説明を聞くことや募金の要求を断りづらくなってしまうことが、まさにフットインザドアの効果です。 フットインザドアは「段階的要請法」とも呼ばれます。

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