• ECサイト構築

ECサイト運営の方法とは?業務内容や必要なスキル、成功させるコツも解説

ECサイト運営を始めるにあたって、運営方法や業務内容について知りたいという方は多いでしょう。

ECサイト運営は、主にフロント業務とバックエンド業務の2つにわかれています。

フロント業務/バックエンド業務
業務

1:商品企画
2:仕入れor製造
3:サイト制作・管理
4:プロモーション

5:受注管理・入金確認
6:在庫管理
7:商品の検品・梱包・出荷
8:配送
9:アフターサービス

今回は、ECサイトの運営について、具体的な業務内容や費用目安、必要となるスキルなどを詳しく解説します。

また、成功させるためのコツも紹介していますので、ECサイト運営を始めたいと考えている方はぜひ参考にしてください。

30秒で資料ダウンロード(無料)
EC運営なら【マイナビD2C】サービス概要

更新:
2023年06月12日

COLUMN INDEX

ECサイト運営とは?どのような業務があるのか

ECサイトは「ネットショップ」「オンラインストア」とも呼ばれるインターネット上の販売店です。

経済産業省の調査によると、2022年度におけるECサイトの市場規模は20.6兆円にものぼります。

※参考:経済産業省 「令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」


この数字は2020年度の19.3兆円から1兆円以上も伸びたものであり、コロナ禍による生活の変化が生じる中で、ECサイトはさらに存在感を増しています。

こういった買い物で使われるECサイトの制作や、ECサイト制作後の管理・顧客対応、そして関連会社との対応といった業務全般が「ECサイト運営」です。

また、ECサイト運営の業務は大きく2つにわかれます。

<ECサイト運営の業務>


フロント業務

フロント業務では、主にマーケティング活動を行います。

商品企画や販売、プロモーション活動といった仕事がフロント業務の主な内容です。

また、SEOや広告掲載などによりECサイトへの訪問者を増やすことも、フロント業務における重要なミッションといえるでしょう。

<主なフロント業務の内容>

  • ECサイト制作や管理

  • ECサイト訪問者の分析

  • 商品企画

  • 在庫調整

  • 販売

  • プロモーション


フロント業務といっても、その内容はサイト制作・分析といった技術的なものから、販売・プロモーションといった専門的なものまでさまざまです。

それぞれのセクションで求められるスキルが異なり、1人ですべての業務を兼任するのは難しいため、各分野にスペシャリストを起用すると良いでしょう。

たとえば、ECサイト制作にはプログラミングやコーディングに強い人材を、またプロモーションにはマーケティングに強い人材を起用することで、ハイレベルなフロント業務が叶います。

バックエンド業務

商品が購入された後のアフターサービスや在庫管理、出荷などを行うのがバックエンド業務です。

ECサイトへの訪問者が増えるにつれて受注件数もアップしていくため、ECサイトの規模が大きくなればなるほど効率化を重視する必要があります。

基幹システムとECサイトを連携させたり、在庫管理システムを導入したりすると、効率化を高めつつヒューマンエラーも減らしやすくなるでしょう。

<バックエンド業務の主な内容>

  • 商品情報の登録

  • 商品の在庫管理

  • 商品の出荷

  • アフターサービス


バックエンド業務では「在庫管理」を、フロント業務では「在庫調整」を行うため、双方向で密に連絡を取り合うことが業務効率化につながります。

アフターサービスは商品に関する問い合わせに対応するほか、何らかの事情で返品を希望する顧客や、クレーム対応にもあたる重要な部門です。

とくにクレーム対応は、その内容によって企業全体のイメージを大きく左右しかねないため、経験豊富な人材を採用する必要があります。

30秒で資料ダウンロード(無料)
EC運営なら【マイナビD2C】サービス概要

ECサイト運営の具体的な業務内容・流れ

次に、ECサイト運営の具体的な業務内容・流れをご紹介します。

まずは、どこからどこまでがフロント業務・バックエンド業務なのかを以下の表で確認しましょう。


1:商品企画

商品企画では、ECサイトで取り扱う商品もしくはサービスの選定を行います。

自社の特徴や強みのほか、主なターゲット層、そしてトレンドを意識したうえで商品企画を行うのがポイントです。

商品企画において、あらかじめ決めておくべきことは主に以下の4つとされています。

<商品企画で決めておくべきこと>

  • 原価率や利益率

  • 仕入れのペースや在庫

  • 販売期間

  • 売上目標


単純に売れる商品だけを追求するのではなく、原価率や利益率も考慮しながら、「どれくらい仕入れて、いつまでに、どれだけ売れるのか」を半年~1年先までのスパンで考えましょう。

2:仕入れor製造

商品企画にもとづいて商品を発注したり、製造したりする業務は、売れ行きや反応を敏感に察知して、臨機応変に発注数を増減させることがポイントです。

たとえば、SNSの拡散やメディア露出などが理由で一時的に需要が急増することもあり、このタイミングで在庫切れを起こすと機会損失につながってしまいます。

機会損失を避けるためのポイントは、主に以下の3つです。

<機会損失を避けるポイント>

  • 追加発注から納品までが早い業者を選ぶ

  • 複数の仕入れルートを確保する


新規仕入れ先との契約時には審査が行われる場合が多いため、ECサイト制作に先駆けて業者選定・交渉を進めておくと良いでしょう。

3:サイト制作・管理

ECサイト制作においては、以下のポイントを重視しましょう。

<ECサイト制作で重視すべきポイント>

  • 商品やサービス、 ターゲットに合ったWebデザインを制作する

  • 注文から購入までのフローをわかりやすくする

  • 管理や更新作業を行いやすいECサイトを用意する


取り扱う商品やサービスの質が高く、ECサイトのデザインが魅力的だとしても、注文しにくいECサイトでは新規の注文につながりません。

また、ECサイトの運用開始後は、取り扱う商品の変更や追加をはじめとする更新・管理を自社で行うことが普通なので、作業しやすいECサイトを持つことも大切です。

管理業務においては商品の登録作業などが必要ですが、商品の魅力を伝えるためにはとくに「撮影」の技術が求められます。

<写真撮影のコツ>

  • 光を調整しながら質感を正確に撮影する

  • 背景や小物にも凝って演出を行う

  • 三脚を使ってカメラを固定し、手ブレを防ぐ

  • サイズ感や素材感が伝わるよう、比較対象になるものを一緒に撮影する

  • 商品を使っている場面を想像しやすいように撮影する


ECサイトを利用する人は、写真やテキストなど限られた情報をもとに購入するかしないかを決めていますから、写真撮影は妥協せずに行いましょう。

4:プロモーション

ECサイトを訪れる人の多くが、インターネット上の広告などを経由してアクセスするため、プロモーションの質を高めることが重要です。

主なプロモーションの内容は以下のとおりです。

<効果的なプロモーションの内容>


インターネット上への広告掲載

インターネット上に掲載できる広告として、主に以下のようなものが挙げられます。

【広告の種類】

リスティング広告
Googleなどの検索結果で上位に表示される広告
アフィリエイト広告
ブログなどの宣伝記事にリンクを掲載する広告
ディスプレイ広告
集客力の高いWebサイトやブログに固定して表示する広告

■リスティング広告
リスティング広告は、「検索連動型広告」とも呼ばれ、GoogleやYahoo!などの検索エンジンを使ってキーワード検索を行った際に、関連するECサイトが表示される広告です。

ユーザーが求めているものを訴求できるため、売上につなげやすいことがメリットであり、広告として掲載するテキストと商品の内容がマッチするほどアクセスを見込めます。

たとえば、釣り用品を販売するECサイトを運用する場合、釣り用品などの直接的なキーワードだけでなく、釣り場などの検索結果にも反映するように広告を出すと効果的でしょう。

■アフィリエイト広告
Webサイトやブログ・SNSなどに広告を掲載し、それを見たユーザーが広告をクリックしたり、広告を経由して買い物をしたりした場合に、一定の報酬を支払うのがアフィリエイト広告の特徴です。

成果に応じて報酬を支払う広告であることから、アフィリエイト広告は費用対効果の高い広告として知られており、インターネットを通じたECサイトへの集客には欠かせません。

広告主となる企業は「ASP」と呼ばれるプロバイダに広告を出稿して、個人ブログを含むさまざまなメディアに宣伝を依頼できます。

■ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、アクセス数が多い有名サイトやブログ、SNSなどへ向けて無差別的に表示される広告で、リスティング広告と比べて潜在層のユーザーに訴求しやすいことがメリットです。

たとえば立ち上げた直後のブランドなど、あまり知名度の高くない企業がECサイトの運用を始める場合、ディスプレイ広告を出すことで認知度を高められるでしょう。

また、ディスプレイ広告はテキスト広告と比べてより大きなスペースを利用できることが多いため、動画や画像を使ったバナー広告を掲出したい企業にもおすすめです。

商品やサービスの内容に応じて、効果的な広告を選びましょう。

SNSマーケティング

TwitterやInstagram、FacebookといったSNSを活用するマーケティングもプロモーションには有効です。

自社アカウントを用意して商品やサービスを訴求したり、インフルエンサーを活用して商品・サービスを宣伝してもらったりします。

SEO

SEOは、Googleなどの検索エンジンの検索結果において上位に表示させるプロモーション方法です。

結果が出るまでに時間がかかりますが、制作したコンテンツは財産として残り、成功すれば広告宣伝費をかけなくてもECサイトに集客できます。

メールマガジン

ECサイトや自社関連サービスのメールマガジンに登録している人に向けて、メールマガジンを送付し、新商品・サービスなどの案内をするのもひとつの手です。

新規顧客の開拓にはつながりませんが、既存顧客を囲い込むためのプロモーションとして有効で、そのほかのプロモーション方法と組み合わせるとより高い効果を発揮します。

5:受注処理・入金確認

受注管理では、主に以下の業務を行います。

<受注管理の主な業務内容>

  • 注文の確認と準備

  • 在庫の確認

  • 注文受付完了メールの送信

  • 受注伝票と注文請書の作成

  • 出荷に向けた準備


顧客と直接的に接する業務なので、素早く丁寧に対応することが企業イメージ向上のための重要なポイントです。

そのためには、ECシステムの導入をおすすめします。

ECシステムを導入することで、多くの業務が自動化されるため、素早くてヒューマンエラーのない正確な顧客対応が叶います。

6:在庫管理

事前の販売計画をベースにしながら、実際の売上を加味して在庫管理を行います。

在庫が少なすぎると機会損失に直結し、反対に在庫が多すぎると無駄なコストが発生するため、適切な在庫を見極めるには経験やノウハウが必須です。

また、ECサイトと実店舗の在庫がリンクする際は、1点限りの商品を二重で販売するリスクがあることにも注意しましょう。

このようなトラブルをなくすためにも自動化が有効で、在庫管理システムを備えたECシステムの導入をおすすめします。

7:商品の検品・梱包・出荷

受注後は商品の検品・梱包を行って出荷します。

出荷する商品の内容や数を間違えないように注意しつつ、商品の特性に応じた梱包を行って配送時の事故を避けましょう。

また、以下のようなポイントを活かすことがリピーターの獲得につながります。

<リピーターを増やすポイント>

  • 次回の注文で使えるクーポンやカタログを同梱する

  • 商品サンプルを同梱する

  • 手書きのサンキューメッセージを添える


そのほかにも、開梱しやすいようなテープの貼り方を意識したり、内容物に対して大きすぎない・小さすぎない梱包箱を選んだりすることもポイントです。

8:配送

配送を自社で行うことは基本的にはなく、配送業者の選定が主な作業に該当します。

配送業者を選ぶポイントは、主に次の3つです。

<配送業者を選ぶポイント>

  • 倉庫の立地から近く、素早く集荷してくれる配送業者を選ぶ

  • 営業時間と集荷の時間がマッチする配送業者を選ぶ

  • 商品のサイズや配送先によって配送料金がお得になる配送業者を使い分ける


配送中の事故や遅延が発生した場合、顧客の不満が自社に向く可能性もありますから、大手で信頼できる配送会社を選ぶこともおすすめします。

9:アフターサービス

アフターサービスの内容は、以下のようにさまざまです。

<アフターサービスの内容>

  • 販売した商品やサービスへの問い合わせ対応

  • クレーム対応

  • 返品や交換への対応

  • サンキューメールの送信

  • レビュー投稿の依頼


ECサイトで販売する商品は、顧客が実際に手にとって選んだものではないため、イメージと違うなどの理由でクレームが入ることは日常茶飯事です。

クレーム対応の内容により顧客を失うこともあれば、反対に顧客との絆を強めてリピーターに変えられることも多いため、丁寧かつスピーディーに対応しましょう。

また、ECサイト全般の信頼度を高めるための要素として、レビューも大切なポイントといえます。

そのため、レビュー投稿者だけに特別なクーポンを配布するといった対策を講じるのも有効です。

資料ダウンロード

ECサイト運営にかかる費用の目安・内訳

ECサイト運営にかかる費用の目安を、以下の表にまとめました。

【ECサイト運営にかかる費用の目安一覧表】

内容
サーバー費用
ドメイン費用
サイト構築費用
独自SSLサーバー証明書の取得・維持費用
決済代行会社の依頼費用
プロモーション費用
物流サービス費用
費用目安
年間500~10,000円
年間500~6,000円
無料~1,000万円以上
無料~10万円程度
40,000~80,000円+月額費用+決済手数料
売上の15~20%
300円~2,000円/1回

また、サイト構築の方法は主に4つあるため、自社の規模に合わせて選びましょう。

【サイト構築の方法と費用相場】

構築方法
適した規模(年商)
費用相場
ASP型
1億円以下
無料~10万円
オープンソース型
1億円前後
無料~100万円
パッケージ型
50億円まで
500~1,000万円
フルスクラッチ型
50億円超
1,000万円~

基本的には年商が上がるほど費用相場も高くなります。

なお、ECサイトは維持・運営にも以下の費用がかかるため注意しましょう。

【ECサイトの維持・運営費用(月額)】

構築方法
費用相場(月額)
ASP型
無料~10万円
オープンソース型
無料~100万円
パッケージ型
10~30万円
フルスクラッチ型
50万円前後

初期費用だけに注目するのではなく、ランニングコストも把握したうえで、自社の規模に合った構築方法を選ぶことが大切です。

ECサイト運営に必要なスキル

ECサイト運営に必要なスキルは以下の4つです。

<ECサイト運営に必要なスキル>


Webマーケティングのスキル

数多くの競合サイトの中から自社ECサイトにたどりついてもらうためには、WebマーケティングやSEOに関するスキルが重要といえます。

SEOとは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにECサイトの内容を評価させ、検索結果の上位に表示させる技術のことで、とくに効果的なSEO手法として「オウンドメディアの運用」が挙げられます。

これは自社で保有するWebサイトにコラムや解説記事、ブログなどのコンテンツを蓄積して情報発信を行い、自社のブランディングとECサイトへの集客を同時に目指す手法です。

また、若い世代に対してはSNSを使ったマーケティングも有効なので、TwitterやInstagramといったSNSも積極的に活用しましょう。

クリエイティブのスキル

クリエイティブに関するスキルは、ECサイトの見やすさ・使いやすさを実現させるためには欠かせないものです。

とくに重要なクリエイティブスキルを3つリストアップします。

<重要なスキル>

  • 商品の写真・動画撮影の技術

  • 画像加工やバナー制作の知識

  • 商品の説明文を作成するライティング能力

  • HTMLやCSSなどのコーディングの知識


ECサイト経由で商品を購入する顧客は、掲載されている写真や動画、文章などを頼りに注文するかどうかを決めています。

商品の魅力をしっかりと伝えられるかどうかが売上を左右するポイントなので、クリエイティブスキルも妥協せずに重視しましょう。

商品企画のスキル

顧客の心をつかむためには、商品企画に関する能力を培うことも重要です。

事前に選定したターゲットに向けて、適切な訴求を実施することをはじめ、ユーザーニーズやトレンドを分析して、売れる商品を企画しましょう。

分析において、とくに重視すべきポイントは次のとおりです。

<重点的な分析を行うときに押さえておくポイント>

  • ユーザーの年齢層や性別

  • 購入された商品の内容

  • 利用されたデバイス

  • 商品ごとのページビュー数と売上率

  • ECサイトの平均訪問時間


これらのポイントを分析することで、徐々に商品やサービスの課題が見えてくるようになり、弱点を補うためのマーケティングやクリエイティブへとつなげられます。

顧客が求める商品やサービスをタイムリーに提供すれば、おのずと企業の評判が良くなり、リピーターの獲得につながっていくでしょう。

カスタマーサポートのスキル

カスタマーサポートは、お客様対応全般に関するスキルのことで、主に以下のような場面で発揮します。

<カスタマーサポートのスキルが必要とされる場面>

  • クレーム対応

  • 商品やサービスへの問い合わせへの対応

  • 返品依頼への対応

  • 配送業者などへの依頼


最近では、チャットbotをはじめとするAI技術が台頭していますが、上記のような場面では人間が誠意を持って顧客対応を行うことが重要です。

顧客満足度を高めるため、そして関連する業者とのやり取りをスムーズに進めるためには、コミュニケーションスキルに長けた人材の確保・育成を重視しましょう。

カスタマーサポートのスキルが高いスタッフの雇用が難しい場合は、アウトソーシングで経験豊富な人材を確保することをおすすめします。

30秒で資料ダウンロード(無料)
EC運営なら【マイナビD2C】サービス概要

ECサイト運営に必要な人員の考え方

ECサイト運営の具体的な業務内容・流れ』でご紹介したとおり、ECサイト運営における業務内容は幅広く、それぞれの部門で経験豊富な人材が必要です。

ECサイトの導入に向けてどれくらいの人員をそろえるかは、サイト構築の方法(事業規模)に応じて判断すると良いでしょう。

【ECサイト運営に必要な人員の考え方】

構築方法(事業規模)
人員の考え方
ASP型・オープンソース型
(年商1億円前後)
フロント業務・バックエンド業務で分ける
パッケージ型・フルスクラッチ型
(年商1億円以上~)
各フローで担当者を分ける

できるだけ多くの人員を割きたいものの、人件費がかかりすぎて難しい場合は、アウトソーシングで人員を確保することをおすすめします。

とくに、以下の業務ではアウトソーシングを有効に活用しましょう。

<アウトソーシングがおすすめの業務>

  • 受注管理や在庫管理

  • 配送

  • アフターサービス


これらの業務はプロと素人でスキルの差が激しいため、いきなり未経験者に任せるのではなく、アウトソーシングを利用して対応することをおすすめします。

ECサイト運営に向いてる人

続いて、ECサイト運営に向いてる人をご紹介します。

知識をアップデートできる人

国内ECの市場規模は、益々拡大するとされています。伸びる市場はすぐに情報がアップデートされていき、新しいインターネット技術やトレンドやを追ってアンテナを張っていく必要があります。そのため知識を常にアップデートしていける人が向いていると言えます。

コミュニケーション能力が高い人

ECサイト運営の業務内容の多くは、1人での作業が多いためコミュニケーションが不要と思われがちです。だからといって、他者とのコミュニケーションが不要なわけではありません。

フリーランスとして、個人でECサイトを運営する場合はクレーム対応などのカスタマーサポートも自分で行わなければなりません。 また、チームでECサイトを運営する場合は、チームメンバーやクライアントと関わることも多いでしょう。

事業の成功、 顧客満足度のためにもコミュニケーション能力が高い人が向いていると言えます。

分析力が高い人

ECサイトの運営には、販売促進・CRMなどの分析業務や数値管理といった様々なデータの取り扱い分析が必要です。

売上を伸ばすために、どのような戦略やサービスを提供するべきか、客観的に分析することも多いでしょう。

そのため物事を納得がいくまで考えたり、解決するために細かく分析することが得意な人に向いていると言えます。

ECサイト運営を成功させるための4つのコツ

続いて、ECサイト運営を成功させるためのコツを4つご紹介します。

<ECサイト運営を成功させるための4つのコツ>


ECサイトはすぐに結果が出るわけではないことを知っておく

WebマーケティングやSNSマーケティング、SEOの成果はすぐに現れるわけではなく、売上の増加につながるまでには一定の時間がかかることが普通です。

たとえばSEOやSNSアカウントを使った訴求を行う際は、以下のような理由により、すぐに結果が出るわけではありません。

<SEOやSNSアカウントの訴求がすぐに結果が出せない理由>

  • SEO→信頼性があり、有益なサイトと認められるには一定の運用事案と記事数が必要だから

  • SNS訴求→フォロワーがごく少数の状態から始まるから


ただし、コンテンツとして制作した記事や、SNSを通じて獲得したフォロワーは、基本的にはその後もずっと残り続けます。

数ヶ月の短期間で劇的に売上を伸ばすことは困難ですが、根気強く宣伝活動を行いながらコンテンツの質を高めましょう。

どうしてもすぐに結果を出したい場合は、以下の方法を取り入れると即効性に期待できます。

<即効性に期待できる戦略>

  • タレントやインフルエンサーを起用した宣伝を行う

  • テレビCMなどインプレッション数が多い方法で宣伝を行う

  • フォロワーの多いSNSアカウントを購入する


ただし、宣伝に莫大な費用がかかるほか、とくにSNSアカウントの購入は、企業に対する信頼度を下げてしまう可能性が高い方法です。

いずれも一時的な宣伝効果に終わる可能性も高いため、おすすめはできません。

分析・改善を繰り返していく必要がある

ECサイトの売上を維持・向上させるためには、ECサイト完成時点の状態をキープするのではなく、分析・改善を繰り返していく必要があります。

想定を下回る売上の商品だとしても、分析を行って問題点を見つけることにより、目玉商品へとステップアップさせられるかもしれません。

ECサイトの売上アップを実現させるためのカギとなる指標と、それぞれの数値の高め方は以下の表のとおりです。

【ECサイト売上アップのカギ】

訪問者数
・SEOに関する施策を行う
・効果的な宣伝活動を行う
購入率(CVR)
・サイト内の検索機能を向上させる
・決済機能を充実させる
・ユーザーが見やすいデザインに仕上げる

もちろん、競合するECサイトもさまざまな広告戦略を進めてパワーアップする可能性があります。

現在は検索結果上位だったとしても、将来的には陥落する可能性があるため要注意です。

ECサイトのクオリティや訪問者数を維持するためには、調子が良くても効果測定を繰り返し、必要なポイントの改善作業を繰り返しましょう。

常に顧客目線を意識する

常に顧客目線を意識することが、クオリティの高い商品やサービスの開発につながります。

ECサイトを準備する過程のミスとして、とくに多いのが以下のようなものです。

<ECサイト構築時に散見されるミス>

  • 独自性を意識しすぎて奇抜なデザインにしてしまう

  • デザイン性の高さを優先するあまり、商品購入までの導線を度外視してしまう


このようなECサイトは、ユーザーにとって使いにくく仕上がっている可能性が高いため、初めてECサイトを訪れた人でもスムーズに買い物ができるかどうか客観的に確認しましょう。

運用開始後の分析では、各種データを逐一チェックしつつ、顧客が求めている商品やサービスの分析を進めることが重要です。

たとえばアクセス数は多いものの売上につながっていない商品の場合、以下のような問題が隠れていると考えられます。

<売上につながらない商品の特徴>

  • ユーザーが欲しい「色」や「サイズ」などのバリエーションが足りていない

  • 商品やサービスの質のわりに「高すぎる」と判断されている

  • 写真やテキストのクオリティが低いせいで商品の魅力が伝わっていない


いずれも改善の余地がある問題点ですから、アンケートなども使いながらユーザーの声を集め、商品やサービスの改良につなげると良いでしょう。

運営代行やコンサルティングの利用もおすすめ

ECサイト制作時にわからないことが多すぎる場合や、ECサイト運営後に伸び悩みを感じる場合は、運営代行やコンサルティングの利用もおすすめです。

運営代行とコンサルティングは、それぞれ以下のような役割を果たしてくれます。

<運営代行・コンサルティングが果たす役割>

  • 運営代行→商品登録業務や販売促進など、業務のすべてもしくは一部を代行してくれる

  • コンサルティング→ECに関するプロフェッショナルが売上アップに向けたアドバイスをしてくれる


上記のようなサービスを利用することで運営がプロ水準になり、売上アップに直結する商品企画やマーケティングが可能になるでしょう。

なるべく継続して利用することをおすすめしますが、1~2年など一定の期間に限定しても効果があります。

これは、プロがどのようにECサイトを運用するのかを自社スタッフが見て学び、ある程度のスキルを盗むことで、運営代行・コンサルティングが抜けた後も一定の効果を見込めるためです。

30秒で資料ダウンロード(無料)
EC運営なら【マイナビD2C】サービス概要

ECサイト運営について勉強する際に役立つ本5選

ECサイト運営について勉強したい場合は、以下で紹介する5冊の本が役立ちます。

<ECサイト運営について勉強する際に役立つ本5選>


図解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書

「解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書」は、製作から集客支援、コンサルティングまで行う専門家集団が、未経験の人に向けて図解でやさしく解説する入門書です。

配置転換でネットショップの店長になった人などの初心者が読者になることを想定し、サイト制作からWebマーケティングまで、EC業務に必須の知識が1冊にまとめられています。

バイブルのように活用できる本なので、担当者に任命された人が勉強用に読むことはもちろん、ECサイトに関わるすべてのスタッフに向けて支給することもおすすめです。

【概要】

タイトル
図解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書
著者
株式会社これから
発売日
2020年7月22日
ページ数/サイズ
248ページ/A5判
定価
2,178円(税込)
識別コード
ISBN 978-4-297-11315-5

売れるネットショップ開業・運営eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。

「売れるネットショップ開業・運営eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。」は、ECサイトにおける取扱商品を「有名ブランド商品・定番商品」や「ニッチ商品」など4つのタイプに分類し、各タイプの強みを活かした集客・ページ接客・リピート送信手法が紹介されています。

すぐに実践できる有名店の定番テクニックをはじめ、独自性を深めるための考え方、マスコミで紹介される方法、価格競争対策など現代ならではのノウハウが掲載されていることも特徴的です。

ECサイトの基礎を学びたい人はもちろん、すでにECサイト運営に携わっているスタッフが手にとっても、目からうろこの情報を得ることができるでしょう。

【概要】

タイトル
売れるネットショップ開業・運営eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。
著者
坂本悟史、川村トモエ
発売日
2010年5月14日
ページ数/サイズ
232ページ/B5変型判
定価
2,640円(税込)
識別コード
ISBN 978-4-844-32837-7

先輩がやさしく教えるEC担当者の知識と実務

「先輩がやさしく教えるEC担当者の知識と実務」は、他業種や他部署からEC担当者に抜擢されたばかりの読者を想定し、EC担当の先輩の視点から必要な知識と業務について解説している本です。

楽天市場・Amazon・Yahoo!の3大モールの施策について詳しく解説されているほか、商品ジャンル別の最適な売り方のコツや、スマートフォンからのアクセスへの対処法まで網羅されています。

できる限りやさしい言葉を使った本から勉強したい人や、モール型のECサイトを制作・運用したい人にはとくにおすすめです。

【概要】

タイトル
先輩がやさしく教えるEC担当者の知識と実務
著者
株式会社いつも.
発売日
2017年12月5日
ページ数/サイズ
256ページ/A5判
定価
2,178円(税込)
識別コード
ISBN 978-4-798-15333-9

オムニチャネル時代の集客から接客まで ECサイト〔新〕売上アップの鉄則119

「オムニチャネル時代の集客から接客まで ECサイト〔新〕売上アップの鉄則119」は、主にネット通販・小売業者に向けたバイブルで、オムニチャネル対応など近年の最新トレンドにも触れられています。

ECサイト制作から宣伝・物流の体制構築まで、すぐに使える売上アップのノウハウが詰め込まれており、楽天市場などモール向けの施策にも言及する充実した内容です。

ECに参入後、売上に伸び悩んでいる企業の担当者や、これから本格的に事業を拡大させたいオーナーなど、あらゆる関係者におすすめできる1冊といえます。

【概要】

タイトル
オムニチャネル時代の集客から接客まで ECサイト〔新〕売上アップの鉄則119
著者
株式会社いつも.
発売日
2015年7月30日
ページ数/サイズ
271ページ
定価
2,750円(税込)
識別コード
IBN 978-4-048-69014-0

EC担当者 プロになるための教科書

「EC担当者 プロになるための教科書」は、ECマーケティング支援企業の最前線で活躍するメンバーが1冊にまとめ上げた本で、現場で培った運営の鉄則をわかりやすく整理したうえで惜しげもなく公開しています。

プロの担当者に必要な基礎知識からEC事業を伸ばすための戦略・考え方、主要販売チャネル別の実践ノウハウなどがチャプターごとに分けられているのが特徴です。

2021年に発売された本ということもあり、コロナ禍以降のECサイトを取り巻く環境の変化に対応したい担当者にもおすすめできます。

【概要】

タイトル
EC担当者 プロになるための教科書
著者
株式会社いつも.
発売日
2021年3月16日
ページ数/サイズ
245ページ/B5判
定価
2,739円(税込)
識別コード
978-4-8399-7198-4

ECサイト運営に関するよくある質問

最後に、ECサイト運営に関するよくある質問3つにお答えします。

<ECサイト運営に関するよくある質問>


ECサイト運営にはどのような業務がある?

ECサイト運営は、主にフロント業務とバックエンド業務の2種類に分けられます。

【フロント業務とバックエンド業務の業務内容】

・ECサイト制作や管理
・ECサイト訪問者の分析
・商品企画
・在庫調整
・販売
・プロモーション
・商品情報の登録
・商品の在庫管理
・商品の出荷
・アフターサービス

フロント業務とバックエンド業務の詳細については、『ECサイト運営とは?どのような業務があるのか』で解説しています。

ECサイト運営の内容・流れは?

ECサイト運営における業務内容は、主に次の9種類です。

【ECサイト運営の業務と概要】

業務
概要
商品企画
ECサイトで取り扱う商品もしくはサービスの選定
仕入れor製造
商品企画にもとづいた商品の発注・製造
サイト制作・管理
自社で使用するECサイトの制作、制作後の更新・管理業務
プロモーション
広告掲載やSNSマーケティング、SEOの施策などによる宣伝活動
受注処理・入金確認
注文の確認や注文受付完了メールの送信、出荷に向けた準備
在庫管理
販売計画をベースにしながら実際の売上を加味した在庫管理
商品の検品・梱包・出荷
受注から発送までに行う一連の業務
配送
自社やサービス内容、サイズ、行先に応じた配送業者の選定
アフターサービス
問い合わせやクレーム対応、返品対応、レビュー当行の依頼など

ECサイト運営の具体的な業務内容・流れ』では、それぞれの業務内容についてさらに詳しく解説しているので、ぜひご確認ください。

ECサイト運営にかかる費用は?

ECサイト運営にかかる費用は以下のとおりです。

【ECサイト運営にかかる費用の目安一覧表】

内容
サーバー費用
ドメイン費用
サイト構築費用
独自SSLサーバー証明書の取得・維持費用
決済代行会社の依頼費用
プロモーション費用
物流サービス費用
費用目安
年間500~10,000円
年間500~6,000円
無料~1,000万円以上
無料~10万円程度
40,000~80,000円+月額費用+決済手数料
売上の15~20%
300円~2,000円/1回

また、サイト構築の方法によってECサイト制作の費用が以下のように変わります。

【サイト構築の方法と費用相場】

構築方法
適した規模(年商)
費用相場
ASP型
1億円以下
無料~10万円
オープンソース型
1億円前後
無料~100万円
パッケージ型
50億円まで
500~1,000万円
フルスクラッチ型
50億円超
1,000万円~

自社の事業規模に応じて、最適なサイト構築の方法を選びましょう。

まとめ

ECサイト運用とは、自社の商品やサービスを販売するWebサイトを製作・管理して運用する業務のことです。

ECサイトの市場規模は20.6兆円にものぼり、企業にとって最重要視すべき販売戦略となっています。

ECサイトの立ち上げと維持には手間と時間がかかり、ECサイト運営に適したスタッフも確保しなければなりません。

自社で人材の育成をゼロから始めるのは困難ですが、人材はアウトソーシングによって確保できますし、ECサイトやシステムそのものを外部に委託することで製作できます。

本記事の内容を参考にしながら、自社にとって最適なECサイトを作成し、売上アップを実現させてください。

30秒で資料ダウンロード(無料)
EC運営なら【マイナビD2C】サービス概要

資料ダウンロード

この記事の監修・著者情報

  • マイナビD2C 佐藤

    約10年ほどメンズ・キッズのアパレルSPA~小売の販売~MD及びバイイングを従事。その後、フリーランスでWebマーケティング、EC運営、メディア運営や事業企画を経験した後、BtoBマーケティング支援企業に入社。クライアントのEC、サービスのSNSやSEOなどを提案し運用改善する。2022年11月より現職。

  • マイナビD2C 橋元

    2007年マイナビ入社。マイナビウーマンで副編集長を経験し、2018年よりkurassoのメディアに携わる。2019年よりkurassoでECサイトを立上げ、1年目で1.5億の売上を出すECサイトに成長させた。現在はkurassoの事業責任者を務めている。

人気記事

PICK UP

注目のキーワード

資料ダウンロード(無料)

OUR SERVICE

サービス紹介

  • shopify
  • shopifyplus
  • BASE (ベイス)
  • ecforce
  • makeshop by GMO makeshop by GMO
  • futureshop
  • EC-CUBE
  • W2 SOLUTION
  • リピストクロス
  • CAMPFIRE
  • amazon
  • Rakuten

マイナビD2Cは、お客様の自社ECサイト作成、物流・CS体制の構築に至るまでECに必要な内容を全面的にサポートするEC支援サービスです。
ECスペシャリストによるECサイト構築からユーザー動向のリサーチ、SNSを活用した露出・販促活動のバックアップまで、
お客様と売れるECサイトに育てていきます。

  • ECサイト制作

    日本11位のドメインレートを持つマイナビD2CのECパートナーが徹底サポート。

  • コンサルティング

    データを活用し、売上最大化のためのアクションが途切れない活発なショップへ。

  • 物流支援

    物流システム(WMS)・発送業務を得意とする倉庫の選定など、安心・安全な物流フローを 構築。

  • マーケティング支援

    なかなかリソースを割けない広告運用やカスタマーサポートを支援し、ケアの行き届いたサービスを実現。

CLIENT WORKS

事例紹介

抱える課題が違えば、適切なソリューションはそれぞれ異なります。
多くの企業様と様々なメディアの成長を見守ってきたノウハウが、私達の財産です。

株式会社デクノバース 様

ECサイト

株式会社デクノバース 様

ECサイト

WOMAN PLUS 様

ECサイト

事例一覧を見る

CONTACT

資料請求・お問い合わせ

デジタルソリューションを導入したいが何から始めたら良いか分からない。
既存のメディアをもっと有効に活用し、成長させたい。
自社にリソースがなく、導入から運用までアウトソーシングしたい。

上記のようなお悩みレベルのご相談がある企業様、課題を探すところから
サポートが必要な企業様もぜひお気軽にお問い合わせください。