オムニチャネル
オムニチャネルとは?メリットと成功事例、オムニチャネル化の手順も解説!
オムニチャネルとは、顧客との接点や販売の経路をすべて統合し、顧客へ総合的にアピールするマーケティング手法です。
ECサイトやSNSが普及している現在、顧客が商品やサービスを購入する流れは多様化しています。
顧客が希望する方法で商品を購入でき、効果的な価値を得られるオムニチャネルは、顧客満足度を向上させるために必要不可欠です。
この記事では、オムニチャネルの意味と、オムニチャネル化を進める手順について解説します。
<オムニチャネルを進める手順>
- 更新:
- 2023年06月12日
COLUMN INDEX
- オムニチャネルとは
- オムニチャネルは企業の販売戦略
- オムニチャネルの種類
- オムニチャネルと類似したマーケティング方式
- オムニチャネル化するメリット
- 顧客の利便性が高まり顧客満足度が向上する
- 顧客の管理や分析がしやすくなる
- 販売の機会損失を防げる
- 業務の効率化
- オムニチャネル化する際に考慮するべきこと
- チャネル間で顧客の相互送客をする
- 自社ブランドのイメージを統一する
- 売上の効果が出るまで時間がかかる
- オムニチャネル事例
- りそな銀行
- 無印良品
- オムニチャネルをすすめる手順
- 1.環境分析、調査と検討を実施する
- 2.ロードマップの策定
- 3.カスタマージャーニーマップを作る
- 4.全チャネルで認識を統一する
- 5.システムの統合
- 6.顧客のニーズを常に意識し改善を重ねる
- オムニチャネルのよくある質問
- オムニチャネルには、どのような種類がありますか?
- クロスチャネルとオムニチャネルの違いは?
- O2Oとは何ですか?
- OMOとは何ですか?
- オムニチャネル化する最大のメリットは何ですか?
- まとめ
- 参考サイト
オムニチャネルとは
オムニとは、ラテン語で「全ての」を意味することばで、チャネルとは、マーケティング用語で「流入経路」という意味です。
オムニチャネルとは、ECサイトや店舗、広告、キャンペーンなどの集客するための全ての媒体や経路のことです。
オムニチャネルが多いほど、商品やサービスの販売機会が増え顧客が集まります。
オムニチャネルは企業の販売戦略
オムニチャネルは、企業と顧客の接点と、販売経路を全て統一することに焦点が置かれています。
つまり、オムニチャネルは、販売機会を逃さないようにするための、マーケティング手法です。
オムニチャネルを実現することで、顧客はさらに有益な購買行動がしやすくなり、企業は売上が上がります。
オムニチャネルの種類
オムニチャネルには、以下のような種類があります。
【オムニチャネルの種類と例】
オムニチャネルは、種類が多いほど顧客がどこで商品を購入するかを選択でき、顧客の購買につながります。
オムニチャネルと類似したマーケティング方式
オムニチャネルと類似しているマーケテイング方式と特徴について解説します。
【マーケティング方式と特徴】
各チャネルは独立し、顧客からは異なるチャネルに見える。
顧客への認知度や購入機会が増える。
来店時に在庫がなくても他店舗やECサイト販売の在庫があれば融通可能。
販売機会を失うことを避けられる。
購入以外の顧客の行動についても、包括的にアプローチする。
(例:実店舗で利用できる割引クーポンをオンラインで配信)
(例:食品のQRコードを読み込むと産地や栄養価など閲覧可能 食品を使用するレシピや必要な調味料などを一緒に購入できる)
オムニチャネルが他のマーケティング方式と異なる点は、全てのチャネルの運営が統制され、どのチャネルからも一貫したサービスが受けられるということです。
顧客が商品やサービスを購入する前や、顧客が商品を探索したり問い合わせしたりする過程にも相互に関わり、顧客の利便性を高めるという点が、他のマーケティング方式との大きな違いです。
また、オムニチャネルとO2Oは、顧客の購買行動に基づいた企業側の戦略に対し、OMOは顧客体験の向上を目的とする、顧客目線を重視した施策となります。
オムニチャネル化するメリット
オムニチャネル化するメリットを解説します。
<オムニチャネル化するメリット>
顧客の利便性が高まり顧客満足度が向上する
オムニチャネル化することで、顧客の希望するチャネルで商品を購入することができ、顧客満足度が向上します。
商品の在庫がない場合、通常は在庫が届くまで待つか、他の店舗などを探す必要がありました。
オムニチャネル化することで、ECサイトに誘導したり、最寄りの店舗で受け取ることができたり、顧客にとって最善の方法を提案することができます。
顧客の管理や分析がしやすくなる
顧客のデータを一元管理することで、顧客の管理や分析がしやすくなります。
各チャネルごとに顧客を管理した場合、購入履歴や顧客情報などを正しく把握することができません。
オムニチャネル化することで、購入履歴を参照し過去にどのチャネルで購入したか、現在の注文状況、顧客の嗜好に合わせた最適な提案も可能になります。
販売の機会損失を防げる
オムニチャネル化により各チャネルを連携させ、販売の機会損失を防ぐことができます。
組織全体で顧客の管理ができるので、顧客がどの商品の購入を検討しているかを把握でき、どこでも注文や受け取りができます。
顧客は、希望するチャネルで商品を購入することができ、企業は販売の機会損失低減につながるのです。
業務の効率化
オムニチャネル化することで、日常業務の効率化も期待できます。
各チャネルを統合することで、分散管理していた顧客管理はもちろんのこと、システムや受注発注業務、発送業務などのバック業務も一元化することができ、多くの業務を合理的に進めることができます。
また、各店舗やECサイトの商品在庫をまとめて管理することで、在庫の適正化により余分な在庫をもつ必要がなくコスト削減ができます。
オムニチャネル化する際に考慮するべきこと
オムニチャネル化する際に考慮するべきことを解説します。
<オムニチャネル化する際に考慮するべきこと>
チャネル間で顧客の相互送客をする
各チャネルが顧客を相互送客することで、顧客の利便性が増し組織全体の利益向上につながります。
会社や組織全体での利益を考え、店舗で品切れの商品があった場合にはECサイトに送客する、ECサイトでは店舗で使えるクーポンを掲載し店舗に送客することで、顧客の購買意欲や満足度も高まります。
また、会社としても売上が上がるなど収益向上を目指せるのです。
自社ブランドのイメージを統一する
自社の商品やブランドイメージを統一し、ブランドを正しく認識してもらえるようにすることが重要です。
ECサイトや広告などもブランドを統一した表現にすることで、どのチャネルでもこの商品はこのブランドと分かるようになります。
顧客が各チャネルの商品を同じブランドと認識して、快適に購入することができます。
売上の効果が出るまで時間がかかる
オムニチャネルは、顧客の満足度を向上させたうえで、ブランドロイヤリティが評価され効果を発揮します。
そのため、売上の効果がすぐに現れる施策ではなく、ある程度の時間がかかるのです。
企業やブランドに対して顧客から高い信頼を得られるように、品質のよいサービスを継続して提供しなければいけません。
そのための時間と資金が必要です。
オムニチャネル事例
オムニチャネルに取り組む企業も多くありますが、ここでは2つのオムニチャネルの成功事例をご紹介します。
<オムニチャネル化の成功事例>
りそな銀行
画像引用:りそな銀行公式
りそな銀行では、顧客にとっての利便性を考えオムニチャネルを取り入れています。
りそな銀行では、2015年りそなグループの銀行間で24時間365日即日決済サービスを開始しました。
住宅ローンに関しても休日に審査や融資が対応でき、いつでもサービスを利用できる環境を実現しています。
また、 2015年6月よりタブレット端末を使用した、本部FPによるリモートサポートも開始され、顧客がどこでもサービスを受けれるようになりました。
りそなのアプリを利用して口座残高や入出金明細の確認、振込取引がスマホでも完結できます。
無印良品
画像引用:無印良品公式
無印良品は、株式会社良品計画が運営する小売店舗で、オムニチャネル戦略のひとつとして「MUJI passport」というスマートフォンアプリを開設しています。
「MUJI passport」は、無印良品で使用できるマイルを貯めたり、お得なサービスが利用できたりするサービスです。
「MUJI.net」「LINEアカウント」「ソーシャルアカウント」「MUJI Card会員」のサービスを連携させ利用することが可能です。
また、実店舗にある商品や店舗検索ができる機能もあります。
オムニチャネルをすすめる手順
オムニチャネルを実現するにあたって顧客との接点の最適化などの他に、店舗とオンラインの連携が欠かせないため、在庫の一元管理なども進める必要があります。
オムニチャネルは効果の大きな戦略ですが、時間とコストもかかるので計画的に取り組まなければいけません。
ここでは、業務の効率化手順を解説します。
<オムニチャネルを進める手順>
1.環境分析、調査と検討を実施する
最初に、自社のこれまでのマーケテイング方法やチャネルの種類、競合の動向と競合が実施しているオムニチャネルの状況を調査し分析します。
自社と競合の現況をふまえて、自社のアプローチする顧客を考察し、どのようなチャネルで販売するかを検討します。
2.ロードマップの策定
全体の戦略をまとめたロードマップを作成し、どのような準備が必要か明確にします。
オムニチャネルは、会社組織全体で行うため規模が大きく、煩雑なプロジェクトになりやすいため、「いつ」「誰が」「どのような方法で」「何を実施するか」など具体的な目標を定めましょう。
3.カスタマージャーニーマップを作る
顧客が商品を検討し、購入にいたるまでの流れを可視化できるカスタマージャーニーマップを作成します。
自社の顧客が具体的にどのような経緯で商品を購入しているのかを明らかにし、顧客に接する場面で、顧客にとって最適なアプローチになる施策を用意しましょう。
4.全チャネルで認識を統一する
各チャネルでの施策が決定し、オムニチャネル化を進める最初の時点で、会社組織全体の認識を統一しておきます。
各チャネルの位置づけや役割分担などを明確にし共有し、組織全体の意識改革をするつもりで取り組みましょう。
5.システムの統合
各チャネルの管理方法が違う場合は、一元管理します。
在庫に関する情報や顧客情報、購入履歴など、各チャネルに管理されていたすべての情報を統合し、一元管理するシステムを導入する必要があります。
店舗の在庫がなくなってしまった時に、何処に在庫があるか確認できるなど、どのチャネルからアクセスしても同一のデータが閲覧できる状態にしましょう。
6.顧客のニーズを常に意識し改善を重ねる
オムニチャネル化をし、各チャネルを統合するだけではオムニチャネルの効果は表れません。
オムニチャネル化したあとも、顧客のニーズを常に意識しながら、最も効果的な施策に取り組めるようにします。
顧客のニーズは一定ではないため、定期的に戦略を見直す必要があります。
オムニチャネルのよくある質問
オムニチャネルのよくある質問の解説をします。
<オムニチャネルのよくある質問>
オムニチャネルには、どのような種類がありますか?
オムニチャネルには、以下のような種類があります。
<オムニチャネル種類:例>
- 店舗:実店舗
- ECサイト:Amazon、楽天、Yahoo、自社サイト
- SNS:Twitter、Instagram
- アプリ:LINE
- メール:メールマガジン
- テレビ:テレビショッピング
- 電話:コールセンター、テレアポ
- カタログ:カタログ通販
クロスチャネルとオムニチャネルの違いは?
クロスチャネルは、複数あるチャネルで実店舗とECで在庫や顧客に関する情報を一元化した状態です。
オムニチャネルは、すべてのチャネルがより統一感のある運営がされ、顧客がどのチャネルを使っても一貫したサービスが提供されます。
また、オムニチャネルは顧客が商品やサービスを購入する前や、顧客が商品を探索したり問い合わせしたりする過程にも相互に関わり、顧客の利便性を高めるという点も異なります。
O2Oとは何ですか?
O2Oは、「Online to Offline」の略で、オンラインとオフラインの双方間の行き来を促すというマーケティング手法です。
オンラインで繋がっている顧客を実店舗へ誘導します。
オンラインで割引クーポンを配布し、顧客がクーポンを持って店舗にくると料金が割引になるなど、顧客にとって有益な施策です。
OMOとは何ですか?
OMOは「Online Merges with Offline」の略でオンラインとオフラインを融合し、顧客体験の向上につなげる施策です。
例えば、食品のQRコードを読み込むと産地や加工地、栄養価などを見ることができる、食品を使ったレシピや必要な食材や調味料を同時に購入できるなど顧客の購買行動につながります。
オムニチャネル化する最大のメリットは何ですか?
オムニチャネル化の最大のメリットは、顧客の利便性が高まり顧客満足度が向上することです。
良い商品を顧客に継続的に提供することで、顧客はブランドの有益性を強く感じ、他のブランドを試してみる必要性を感じなくなります。
顧客は同じブランドの商品を何度も購入してくれるリピーターとなるのです。
まとめ
オムニチャネルは、企業と顧客の接点や販売経路をすべて統合し、顧客へ総合的にアピールするマーケティング手法で顧客満足度を向上させるために必要な戦略です。
この記事では、オムニチャネル化するメリットを解説しました。
<オムニチャネル化するメリット>
また、オムニチャネル化する際に考慮するべきこと、オムニチャネルを進める手順を解説しました。
<オムニチャネル化する際に考慮するべきこと>
<オムニチャネルを進める手順>
この記事を参考にして、オムニチャネル化を進めてみて下さい。
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