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TikTok Shop成功事例5選:海外マーケットに学ぶ売上拡大の秘訣
- 更新:
- 2025年05月08日
COLUMN INDEX
- 成功事例1:Kiehl’s Vietnam(美容)– TikTokライブ施策で月間売上トップに
- ライブ配信の徹底活用
- ストーリー性のある動画コンテンツ
- インフルエンサーとの協業
- 成功事例2:PRISM+(ガジェット)– Gen Z向け動画とライブで電子機器を拡販
- トレンド感のある短尺動画
- ライブコマースで疑似店舗体験
- 若年層との双方向コミュニケーション
- 成功事例3:Alpha Prime Bites(食品)– プロテインおやつがTikTokでバズり米国で大ヒット
- 商品のターゲティング明確化
- 社内インフルエンサーの起用
- TikTok限定オファーで購買促進
- クリエイター提携による拡散
- 成功事例4:INSPI(ファッション)– 老舗アパレルがTikTokで年商2倍に
- TikTokにフィットするコンテンツ模索
- TikTok Shopで在庫一掃セール
- フォロワー42万人・売上2倍の躍進
- 成功事例5:The Beauty Story(美容)– 広告×ライブ連携で高ROASを実現
- ショッピング広告(VSA)による新規顧客獲得
- ライブ配信+ゲーム施策で購入促進
- 広告最適化による高い投資対効果
- 成功事例から学ぶTikTok Shop成功のポイント
- ライブコマースの活用
- クリエイターとのコラボ
- TikTokネイティブなコンテンツ
- 限定オファー・キャンペーン
- データ分析と継続改善
近年、SNS上で直接商品を販売できるTikTok Shopが世界中で急成長しています。特にアメリカや東南アジアではTikTok Shopを活用して爆発的な売上増加を達成したブランドが続々と登場しています。実際、TikTok Shopの2024年世界流通総額(GMV)は約332億ドルに達し(前年の2倍以上)、そのうち米国市場だけで約90億ドルを占めました。また、TikTok Shopの売上の大半は東南アジアが牽引しており、サービス開始以来の取引量の95%以上が東南アジアから生まれています。タイやインドネシアなどではライブコマースが日常に溶け込んでおり、こうした海外マーケットの成功事例には美容・ガジェット・食品・ファッションと多彩な業界のブランドが含まれています。日本企業にとっても参考になるヒントが満載です。
本記事では、海外のTikTok Shop成功事例を5つ厳選してご紹介します。美容、ガジェット、食品、ファッションの順に、各ブランドの具体的な施策内容や成果指標(KPI)、売上変化、プロモーション戦略を解説します。海外マーケットに学ぶTikTok Shop攻略の秘訣を、自社EC戦略の検討材料としてぜひ活用してください。
成功事例1:Kiehl’s Vietnam(美容)– TikTokライブ施策で月間売上トップに

画像引用元:Kiehl’s Vietnam
ニューヨーク発の老舗コスメブランドKiehl’s(キールズ)は、ベトナム市場で2023年2月にTikTok Shopを本格展開し、大きな成果を収めました。同社は天然由来のスキンケア商品をTikTok Shopを通じて販売し、短期間で売上を大幅に押し上げることに成功しています。わずか1ヶ月でTikTok Shop内のプレミアムビューティーカテゴリにおいて同国トップの売上を記録し、TikTok Shop史上最大の新規ブランドローンチとなりました。具体的なKPIとしても、広告費用対効果(ROAS)6.7倍、ライブ配信経由のGMV43%増、公式アカウントのフォロワー1.1万人増加と目覚ましい成果を残しています。この成功を機に社内でもTikTokを重要チャネルと位置づけ、継続的な投資が行われています。
ライブ配信の徹底活用
30日間で40回ものライブ配信を実施し、リアルタイムで顧客と交流しました。美容系クリエイターや自社のビューティーアドバイザーがホストとなり、商品説明やスキンケアアドバイスをライブで提供。ユーザーからの質問に即答してエンゲージメントを高め、その場で購買につなげました。またライブ中にLIVEショッピング広告や動画ショッピング広告を併用し、視聴者をスムーズに商品購入ページへ誘導しています。
ストーリー性のある動画コンテンツ
ベトナムの消費者は「動画ファースト」で教育的コンテンツを好む傾向があります。Kiehl’sは商品の成分や効果を物語仕立てで紹介する短尺動画を多数投稿しました。発売前にはティザー動画広告で期待感を醸成し、発売後も継続的に製品知識を深めるコンテンツを提供。約8割のユーザーが動画コンテンツを好む市場に合わせた戦略で、新規顧客層の開拓に成功しています。
インフルエンサーとの協業
自社発信だけでなく、人気美容クリエイターとのコラボレーションも積極的に実施しました。信頼性の高いクリエイターに商品レビューや紹介を依頼することで、これまでリーチできなかったニッチなコミュニティにも浸透し、結果として購入手続きの件数が急増しました。
成功事例2:PRISM+(ガジェット)– Gen Z向け動画とライブで電子機器を拡販

画像引用元:PRISM+
シンガポール発の電子機器ブランドPRISM+(プリズムプラス)は、プレミアムなゲーミングモニターやスマート家電を扱うD2C企業です。TikTok上でGen Zのテック愛好家層を狙い撃ちし、コンテンツコマース戦略で売上を伸ばしました。同社の成功は「ハイテク製品でもエンタメ性とライブ接客を融合させれば若年層にリーチできる」ことを示しています。
トレンド感のある短尺動画
TikTok運用当初から、商品特徴を端的に伝える短尺動画を多数投稿しました。美麗な映像と流行の音源を組み合わせて最新モニターの機能を紹介し、若年層の興味を喚起。また社内スタッフが登場するコミカルな寸劇や、プロゲーマーによる製品レビューなど多彩なコンテンツで親近感と専門性を両立し、フォロワーを着実に増やしました。
ライブコマースで疑似店舗体験
TikTok Shopと連動したライブ配信では、エンタメ性のある司会進行で視聴者を楽しませつつ商品知識を提供。配信中に寄せられる質問にリアルタイム回答して不安を解消しました。特に年末商戦期の12月12日セール(12.12セール)ではTikTok経由の売上が前月比+58.6%と記録的な伸びを示し、2022年第4四半期だけで200万ドル超を売り上げました。このライブ施策によって商品インプレッションは140万回を突破し、ライブ視聴者数も開始当初から4倍に増加しています。TikTok内でのブランド認知を飛躍的に高めた好例と言えます。
若年層との双方向コミュニケーション
PRISM+はTikTok上で16,500人以上のフォロワーと92,000件の「いいね」を獲得しており、コメント欄でもユーザーと積極的に交流しています。製品に対する質問やリアクションに丁寧に返信することでブランドロイヤリティを醸成。こうしたエンゲージメント重視の姿勢がTikTokコミュニティ内での口コミ拡散につながり、若者から熱狂的な支持を得るに至りました。
※参考:PRISM+と同じくシンガポールのPCメーカー「AFTERSHOCK PC」も、TikTokでのライブ配信やコミカルな動画戦略によって212,000人のフォロワーと370万件の「いいね」を獲得しています。セール期にはライブ視聴回数が+92%急増するなど、大きな成功を収めました。
成功事例3:Alpha Prime Bites(食品)– プロテインおやつがTikTokでバズり米国で大ヒット

画像引用元:Alpha Prime Bites
アメリカのスタートアップAlpha Prime Bites(アルファプライムバイツ)は、フィットネス向け高タンパクスイーツ「プロテインブラウニー」を手掛ける新興ブランドです。ほぼ無名の状態からTikTok発のバイラルヒットで売上を急拡大させ、TikTok Shopだけで500万ドル(約7億円)以上を売り上げた成功例として注目されています。
商品のターゲティング明確化
元々サプリメントメーカーとしてスタートした同社は、TikTok世代にウケる「おやつ系プロテイン食品」に着目しました。顧客層(筋トレ愛好家やダイエット志向)の嗜好を徹底研究し、「高プロテインかつ美味しいブラウニー」というニッチ市場にフォーカス。その結果、商品コンセプトがTikTokの健康志向コミュニティと合致し、「痩せるスイーツ」として火が付いたのです。
社内インフルエンサーの起用
マーケティングディレクターなど社内の人物をTikTok動画の“顔”として登場させ、商品開発の裏話や試食レビューなど親しみやすいコンテンツを量産しました。身近で親しみやすい社員が発信することでブランドへの共感を生み、フォロワーとの距離感を縮めています。ユーザーからのコメントにもユーモアを交えて返信し、ファンとの一体感を醸成しました。
TikTok限定オファーで購買促進
TikTok Shop向けに用意したバラエティパック(全フレーバー詰め合わせセット)を特別価格で提供したところ、「お得に全フレーバーを試せる!」と口コミで拡散し、爆発的な注文増につながりました。まさに「特別感のある商品設計」がTikTokでバイラルの起爆剤になった例と言えます。
クリエイター提携による拡散
当初は小規模なフィットネス系TikTokerとの提携から始め、アフィリエイト報酬や無料サンプル提供によって協力者ネットワークを徐々に拡大しました。ユーザー生成コンテンツ(UGC)が増えるにつれブランド信頼性も高まり、最終的には100名以上のTikTokクリエイターがAlpha Prime Bitesを紹介する状況にまでなりました。こうしたクリエイターの後押しによって知名度が短期間で急上昇し、オーガニック投稿経由でも売上が積み上がっています。
これらの取り組みの結果、Alpha Prime BitesはTikTok Shopにおいて累計100,000個以上のブラウニーを販売し、総売上500万ドル超を達成しました。2024年には販売個数が累計300万個を突破するなど、その勢いは増すばかりです。また同社の成功は、「無名の新興食品ブランドでもTikTokで刺されば巨額の売上を生み出せる」ことを証明しました。SNS映えするユニークなお菓子や、健康・美容トレンドにマッチした商品を持つメーカーにとって大きな示唆となるでしょう。
成功事例4:INSPI(ファッション)– 老舗アパレルがTikTokで年商2倍に

画像引用元:INSPI
INSPI(インスピ)はフィリピンのカジュアルファッションブランドです。元々は家族経営の繊維メーカーとして30年間実店舗販売を行っていましたが、2020年のロックダウンで店舗休業に追い込まれたことを契機にオンライン進出に活路を見出しました。TikTokを中心としたデジタル戦略への大胆な転換により、わずか2年で売上を2倍に伸ばす復活劇を遂げています。
TikTokにフィットするコンテンツ模索
INSPIはまずTikTok上でバズるコンテンツの研究に注力しました。動画の長さを15秒〜1分と様々に試し、流行の音楽やエフェクトを積極的に取り入れて大量に投稿。ヒット動画のパターンを分析し、自社の商品(プリントTシャツやパーカーなど)が映える演出を追求しました。その結果、一部動画が国内で拡散され始めフォロワーが急増。TikTokを商品のカタログ代わりに活用するユーザーも現れました。
TikTok Shopで在庫一掃セール
フィリピン国内でTikTok Shop機能が拡張されるや否や、INSPIはすぐさま同プラットフォーム上での販売を開始しました。限定クーポンや送料無料キャンペーンを打ち出したところ、TikTok経由の購買率が最大で100%向上するといった成果を上げています。TikTok上で商品ページに直接飛べる利便性も奏功し、新規顧客層を大量獲得。TikTok Shop上での露出強化によって自社ECサイトへのアクセスも増加する好循環が生まれました。
フォロワー42万人・売上2倍の躍進
TikTokを本格活用してから約2年で、INSPIの公式アカウントは42.2万フォロワーを獲得し、それがそのまま売上増加に直結しました。特に若年層での認知度向上が顕著で、ブランド創業時からの既存ファンに加えて新世代のファンコミュニティを形成。結果としてパンデミック前と比べ売上が約2倍に成長し、実店舗閉鎖の危機を乗り越えることができたのです。INSPIのケースは「伝統企業でもデジタル適応次第で復活できる」ことを示す好例と言えます。
また、ファッション業界自体がTikTok上で特に人気のカテゴリであり、米国のオンラインアパレルブランドEdiktedもTikTok ShopキャンペーンによってGMV111%増・受注数98%増を達成し、ファッションカテゴリで同期間No.1の売上を記録しました。ファッション企業にとってTikTok Shopは見逃せないチャネルになりつつあります。
成功事例5:The Beauty Story(美容)– 広告×ライブ連携で高ROASを実現

画像引用元:The Beauty Story
シンガポールのコスメEC企業The Beauty Storyは、韓国スキンケア製品を扱う美容通販ブランドです。TikTokのコミュニティ機能と広告機能を巧みに組み合わせることで売上拡大に成功しました。
ショッピング広告(VSA)による新規顧客獲得
The Beauty StoryはTikTok Shop上で販路拡大を図るにあたり、まず動画ショッピング広告(VSA)をテストしました。TikTokのクリエイターマーケットプレイスを活用して美容系インフルエンサーと契約し、商品紹介動画を制作。動画は15秒程度のテンポの良い編集で、冒頭に目を引くフックと明確なCTA(購入促進メッセージ)を挿入。広告でありながらエンタメ性のある教材的コンテンツに仕上げたことでユーザーの反応率が高まりました。
ライブ配信+ゲーム施策で購入促進
続いてライブショッピング広告(LSA)も展開し、リアルタイムの購買体験を提供しました。ライブ配信では視聴者参加型のゲーム企画(例:「スピン・ザ・ホイール」で当たりが出たら割引や景品進呈)を実施し、楽しみながら購入できる仕掛けを用意しました。視聴者はゲームで盛り上がりつつ「今ライブで買えばお得」というインセンティブにつられてスムーズに購入へ至りました。
広告最適化による高い投資対効果
広告配信においてはLowest Cost(最低コスト)入札戦略を採用し、ターゲット属性もあえて絞り込まず幅広く設定して可能な限り多くのユーザーにリーチ。コンバージョン目標を「チェックアウト開始」や「支払い完了」に設定して機械学習による最適化を効かせました。その結果、わずか2週間あまりのキャンペーンで動画広告では12.5倍、ライブ広告でも6.6倍という高いROASを達成し、延べ66,000人以上のユーザーにリーチすることができました。エンゲージメント面でも12,800件以上のリアクション(いいね・コメント等)と3,400件のプロフィール訪問を獲得し、ブランド認知と売上の双方で大きな伸びを示しています。広告投資の明確な成果が得られたことで、同社は今後さらにTikTokショッピング広告とライブコマースに予算を投下する予定と発表しています。加えて、新たにリターゲティング広告なども試験し、より精緻なマーケティング展開を図る計画です。限られた広告費でもこれほどの高ROIを実現できた本事例は、予算制約がある企業にとっても示唆に富むものと言えるでしょう。
成功事例から学ぶTikTok Shop成功のポイント
ライブコマースの活用
ライブ配信は店頭販売のようなリアルタイム接客を可能にし、その場でユーザーの疑問を解消できます。Kiehl’sのように短期間に高頻度でライブを実施すればフォロワーとの関係構築や購買率向上に直結します。実際、東南アジアではライブコマース熱が非常に高く、TikTok Shop全体の取引量の大部分を占めています。一方で米国市場ではショート動画主体でも売上を伸ばすことが可能で、TikTok Shop経由売上の約58%が短尺動画から発生しているとの分析もあります。
クリエイターとのコラボ
TikTokで影響力を持つインフルエンサーやクリエイターとの協業は、信頼性と拡散力を同時に得られる強力な手段です。Kiehl’sが美容クリエイターと組んで購買層を広げたように、自社商品にマッチするインフルエンサーにレビューや紹介を依頼してみましょう。クリエイター起用の広告は認知効果も高く、従来型の純広告より27%も広告想起率が高いとのデータもあります。第三者からの推薦はTikTokユーザーの購買意欲を大いに刺激します。
TikTokネイティブなコンテンツ
TikTokのコミュニティ文化に沿った親しみやすいコンテンツ作りが重要です。PRISM+やAFTERSHOCK PCは製品PRにユーモアや流行の音楽を取り入れてGen Zの共感を得ました。Alpha Prime Bitesも等身大の社員が登場する動画で親近感を演出しています。「売り込み感」より「共感・楽しさ」を優先したコンテンツが、結果的に購買につながることを肝に銘じましょう。
限定オファー・キャンペーン
TikTokならではの期間限定セールやセット商品を用意することも効果的です。Alpha Prime Bitesのバラエティパックのように「TikTok限定」でお得感のある商品やクーポンを提供すればユーザーの購買意欲を刺激できます。またINSPIのように送料無料や割引イベントを打つことで「今買わなきゃ損!」という心理を高めることも可能です。
データ分析と継続改善
TikTok Shop上での販売データや動画の視聴データを分析し、素早くPDCAを回す姿勢も成功には欠かせません。どの動画から購入が発生したか、ライブ視聴者数の推移、広告のコンバージョン効果などをチェックし、次の施策に活かしましょう。The Beauty Storyは初回広告施策の結果を見て追加投資を決定し、INSPIもヒットコンテンツの分析を通じて戦略を磨いていきました。このようにデータドリブンかつ柔軟に施策を改善していくことが、TikTokのスピード感に合致し大きな成果を生むポイントです。
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