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TikTok Shop導入ガイド：出店方法と必要条件を徹底解説

EC構築

更新：: 2025年05月08日

COLUMN INDEX

TikTok Shopとは？SNS×ECの新たなショッピング機能
TikTok Shop出店のステップ全体フロー
TikTok Shop出店に必要な要件・書類
基本要件（共通）
個人事業主として出店する場合
法人企業として出店する場合
その他の必要情報
出店前に知っておくべき注意点（ポリシー・禁止事項）
販売禁止商品に注意
コンテンツポリシーの順守
出荷・配送に関するルール
アカウント健全性と評価
TikTok Seller Centerの機能概要と使い方
主な機能
初期設定で必ずやるべき項目（配送・支払い・ショップページなど）
配送設定の確認
支払い設定の完了
ショップページの整備
通知設定とアプリ連携
運用ポリシーの設定
出店後すぐにやるべきこと（商品登録・ライブ配信・ショップデザインなど）
商品の登録と最適化
ライブ配信（ライブコマース）の活用
ショップデザインとブランディング
販売促進の即時実行

TikTok Shopは、人気SNS「TikTok」内で直接商品を販売できる新しいECプラットフォームです。2025年6月に日本でサービスが開始される予定で、既に多くの企業や個人事業主が注目しています。動画コンテンツとECを融合したスムーズな購買体験が可能になることで、新たな販路拡大のチャンスになると期待されています。また、日本国内のTikTok月間アクティブユーザーは3,300万人以上にのぼり、TikTok Shopの導入によって新規顧客との接点が一層強化できるでしょう。本記事では、TikTok Shopの出店フローから必要要件・書類、初期設定や注意点まで、マーケティング担当者やSNS担当者の実務に役立つ形で詳しく解説します。

※本記事はグローバル版のサービス情報を基に作成しております。実際の日本でのローンチ内容とは異なる場合がございます。

TikTok Shopとは？SNS×ECの新たなショッピング機能

TikTok ShopはTikTokアプリ内で完結する公式のショッピング機能で、ユーザーは動画を視聴しながらそのまま商品を購入できます。インフルエンサーやブランドが投稿動画やライブ配信を通じて商品を紹介し、視聴者はアプリを離れずに決済まで完了できるため、非常にスムーズな購買体験が実現します。

従来のECサイトへ誘導する方法とは異なり、「コンテンツとコマースの融合」により動画視聴の延長線上で自然に買い物ができる点がTikTok Shopの特徴です。海外ではすでに米国、イギリス、東南アジアなど12か国以上で展開されており、ライブコマースを中心に大きな成果を上げています。日本市場でも莫大なユーザー基盤を有することから、TikTok Shopは新規顧客開拓や売上拡大の切り札として注目されています。

TikTok Shop出店のステップ全体フロー

TikTok Shopに出店するための全体的な流れを、ステップごとに整理します。

TikTokアカウントの準備とSeller Centerへのアクセス

まずTikTokのセラーアカウントを作成します。既にビジネス用アカウントがある場合はそれを利用し、なければ新規に用意しましょう。次にウェブ上のTikTok Seller Centerにアクセスし、日本を含む対象国を選択して「Get Started（開始）」ボタンをクリックします。

基本情報の登録（事業者情報・連絡先など）

Seller Center上の案内に従い、ショップの基本情報を入力します。商品発送元住所や返品先住所もここで設定します。利用規約に同意し基本情報の入力を完了すると、「ビジネスを開始（Start Business）」ボタンが押せるようになります。

必要書類の提出と審査

基本情報の登録が完了すると、引き続き身元・事業の確認書類のアップロード画面に進みます。Seller Centerの指示に沿って必要書類を提出し、承認を待ちます。通常1〜3営業日で結果が通知され、承認されれば次のステップに進めます（万一承認されなかった場合は、不備箇所の指摘と再提出の案内がメールで届きます）。

銀行口座情報の連携とショップ開設完了

審査通過後、自身のショップに売上金の振込先となる銀行口座を登録します。Seller Centerの「支払い設定」セクションで銀行名、口座番号、住所、連絡先メールなど必要情報を入力して口座を紐づけます。口座連携が完了すれば、TikTok Shop開設の準備が整います。商品カタログへの登録方法やショップページへの反映については、後述する「商品登録」の項で解説します。

以上がTikTok Shop出店までの基本的な手順です。

TikTok Shop出店に必要な要件・書類

TikTok Shopに出店できるのは、法人企業だけでなく個人事業主も可能です。つまり企業はもちろん、副業やフリーランスでEC販売を始めたい個人も利用できるのが特徴です。ただし、事業形態に応じていくつかの必要条件と提出書類があります。ここでは「TikTok Shop 必要書類」としてよく検索されるポイントを中心に整理します。

基本要件（共通）

・連絡先と年齢要件: 有効な電話番号とメールアドレス、そしてTikTokアカウントが必要です。また、TikTokアプリ自体は無料でダウンロードできますが、Shop出店者は18歳以上である必要があります。さらに、コミュニティガイドラインを遵守した健全なアカウントであることが求められます。
・国内拠点: 日本で事業を行う場合は、日本国内の住所および金融機関口座を持っている必要があります（出店者情報や売上の振込先として使用）。

個人事業主として出店する場合

本人確認書類として運転免許証、パスポートなど政府発行の身分証明書を提出します。氏名・住所・生年月日が確認できる書類を鮮明に撮影した画像またはPDFをアップロードしてください。屋号で活動している場合は、開業届や屋号の証明書（お持ちであれば）を用意しておくと良いでしょう。基本的には本人確認ができれば個人事業主としての登録は可能です。

法人企業として出店する場合

法人代表者または責任者の身分証明書に加えて、法人の事業証明書類が必要です。具体的には登記簿謄本（現在事項全部証明書）や営業許可証などを提出します。また、2023年10月に開始されたインボイス制度（適格請求書発行事業者）に対応するため、場合によりインボイス関連登録番号の提出を求められる可能性もあります。提出書類は画像またはPDFでアップロードし、内容が鮮明に読み取れるようにしましょう。

その他の必要情報

上記の本人確認・事業証明のほか、事業者情報（社名・所在地など）や取扱商品カテゴリー、ショップ名、そして銀行口座情報も登録時に入力します。また、売上金は登録した銀行口座に振り込まれるため、国内銀行口座を用意してください。以上が主な必要条件と書類です。

なお、出店そのものに初期費用や月額費用は基本的に掛からず、審査通過後は自由にショップ開設できます。ただし、販売手数料（海外例：5〜8%）が発生します。決済手数料（クレジットカード手数料など）は販売手数料に含まれる形でTikTok側が処理するため、別途負担する必要はありません。

出店前に知っておくべき注意点（ポリシー・禁止事項）

TikTok Shopへ出店する際は、事前にTikTokのポリシーや禁止事項を理解しておくことが大切です。審査通過後であっても、ガイドラインに反する行為を行えばペナルティを受けたり、最悪アカウント停止となる可能性があります。以下、特に注意すべきポイントをまとめます。

販売禁止商品に注意

TikTok Shopでは基本的に衣類、アクセサリー、コスメ、家電、食品、雑貨など幅広い商品の販売が可能です。ただし、TikTokのガイドラインに抵触する商品は出品できません。

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コンテンツポリシーの順守

TikTok上で商品を宣伝・販売する以上、コンテンツ内容にも注意が必要です。商品ページや関連動画では誇大表現を避け、科学的根拠が必要な場合は正確なデータを提示しましょう。コンテンツ面のガイドライン違反もアカウントへの罰則につながるため、マーケティング表現には十分留意してください。

出荷・配送に関するルール

販売後の出荷義務も重要なポリシー項目です。注文を受けたら規定の期間内に商品を発送するのはもちろん、追跡番号を迅速に登録して購入者に安心感を与えましょう。食品や化粧品など衛生面が重要な商材は適切に取り扱う必要があります。また、適切な梱包や配送業者の選定など、購入者に商品が確実に届くよう責任を持って対応しましょう。

アカウント健全性と評価

TikTok Shopでは購入者からの評価やクレームも蓄積されていきます。不適切な対応が続くとショップの評価が下がり、露出制限やキャンペーン参加資格の剥奪につながる場合があります。ガイドラインに沿った誠実な運営を心がけ、購入者との信頼関係を構築しましょう。

以上のように、禁止商品を扱わないこととTikTokのルール遵守は出店者の基本的責務です。出店前にTikTok Shop公式のポリシーや最新ガイドラインを確認し、自社商品や販売方法が適合しているか確認しておきましょう。特に新サービスゆえに規約変更もあり得ますから、最新情報のアップデートも欠かさず行うことが重要です。

TikTok Seller Centerの機能概要と使い方

TikTok Seller Centerは、TikTok Shop出店者向けの専用管理画面です。Webブラウザからアクセスし、出店用に登録したTikTokアカウントでログインすることで利用できます。Seller Center上でできる主な機能・操作を押さえておきましょう。

主な機能

・ショップ運営のダッシュボード: Seller Centerにログインすると、まずダッシュボード（ホーム画面）に様々なKPIやタスクが表示されます。売上、注文、レビュー、アカウント健全性など主要指標を一目で確認可能です。また、お知らせやポリシー更新情報もこの画面に表示されるため、定期的にチェックしてください。
・商品管理（Product Manager）: 商品追加・編集・一括アップロード・在庫管理を行います。「商品追加（Add Product）」を選択すると、基本情報、価格、SKU、在庫数、配送情報、商品説明、画像・動画のアップロード項目が表示されます。テンプレートを使ったCSVアップロード機能も用意されています。
・注文管理（Orders）: 購入が入ると注文管理画面に詳細が表示されます。注文ID、購入商品、購入者情報、支払い状況、配送状況などを確認し、梱包・発送を行います。発送完了報告や配送ステータスの更新もこの画面から行います。また、返品・返金リクエストの対応も注文管理セクションで一括管理します。
・顧客対応・レビュー: 購入者からの問い合わせやメッセージが届いた場合、Seller Center経由で対応できます。購入者からのレビュー（★評価＋コメント）に返信し、良い評価を維持できるよう、品質の高い商品提供と丁寧な対応を心がけます。万一低評価が付いた場合は原因を分析し、改善に活かしましょう。
・マーケティングツール: クーポン発行やセール設定、バンドル販売（セット販売）など各種プロモーション施策を行えます。Seller Centerの「マーケティング」メニューからキャンペーン管理や割引コードの発行、フォロワー向けセールの設定などを行い、販促活動に活用しましょう。
・データ分析（Analytics）: 売上やアクセス解析のデータもSeller Centerで閲覧できます。日次・月次の売上推移、商品ごとの成績、流入経路、ライブ配信経由の売上など詳細な分析が可能です。これらのデータを活用して在庫計画やマーケティング戦略を最適化しましょう。

このようにTikTok Seller Centerはショップ運営の司令塔となる統合プラットフォームです。操作画面がわかりやすく設計されているものの、機能が多岐にわたるため最初は戸惑うこともあります。困ったときはSeller Center内のヘルプセンターやTikTok Shop Academy（オンライン学習リソース）を参照し、機能を習得していきましょう。

初期設定で必ずやるべき項目（配送・支払い・ショップページなど）

出店登録と書類審査が完了したら、実際に販売を始める前にショップの初期設定を済ませておきましょう。見落としがちな重要設定を以下にリストアップします。

配送設定の確認

商品をスムーズに届けるため、発送元情報と返品先情報を正確に設定します。配送方法や送料ルールも決めましょう。また、出荷までのリードタイム（何日以内に発送するか）も商品説明等に明記しておくと親切です。

支払い設定の完了

購入者の支払い方法はTikTokが用意する決済手段（クレジットカードや電子決済など）を通じて行われ、売上金は指定口座に振り込まれます。一定のサイクルで売上金が登録口座に振り込まれます。初回の振込前に、口座情報に誤りがないか必ず再確認しましょう。

ショップページの整備

TikTok上でユーザーが閲覧するショップページの体裁を整えます。ショップページとは、各ブランドやセラーの「プロフィール内のショップタブ」に当たる場所です。ロゴ画像やヘッダーバナー、自己紹介文を載せて信頼感を高めます。また可能であればカテゴリー分けや商品コレクションを設定し、商品一覧が見やすくなるよう工夫しましょう。

通知設定とアプリ連携

販売が始まると、注文やメッセージの通知を見逃さないことが大切です。Seller Centerの通知設定でメールやSMS通知をオンにし、スマホのTikTok Sellerアプリ（海外版名称：Seller Center App）が日本で利用可能になったら必ず導入しておくと、移動中でも注文対応ができ便利です。ただし、現時点（日本サービス開始前）では日本版のSellerアプリ提供は未定です。

運用ポリシーの設定

ショップの返品・返金ポリシーや保証内容など、ユーザーから見える運用ポリシーも明文化しておきます。TikTok Shopは購入者保護が手厚いサービスですが、ショップ独自のポリシーを提示しておくと、購入者の安心感につながります。あらかじめポリシーを提示しておくことで、トラブル時にもスムーズに対応できるでしょう。

初期設定のポイントは以上です。これらを怠りなく設定することで、トラブル防止とユーザー満足度の向上につながります。特に配送設定や支払い設定、ショップページデザインなどショップ情報は後から修正も可能ですが、開店時に整えておくと印象が良いため、出店直後のタイミングでチェックリスト的に確認しましょう。

出店後すぐにやるべきこと（商品登録・ライブ配信・ショップデザインなど）

ショップを開設したら、運用開始直後にまず取り組むべきアクションがあります。ここでは、出店直後に優先すべき事項を解説します。

商品の登録と最適化

まずは販売する商品の登録を行います。取り扱い予定の商品リストを準備し、Seller Centerの「商品管理」セクションから登録作業を進めます。画像や動画、詳細説明、キーワード、カスタムオプションをフル活用して情報を充実させましょう。品揃えが豊富なほど潜在顧客の目に触れる機会が増えるため、在庫管理と相談しつつ徐々にアイテム数を増やしていきましょう。

ライブ配信（ライブコマース）の活用

TikTok Shopの強みであるライブショッピング機能も早速活用しましょう。ライブ配信では商品の実演やリアルタイムのQ&Aを通じて信頼感を醸成できます。ライブ配信後はその録画をクリップ（動画）として投稿し、後から訪れたユーザーにも商品リンク付き動画として視聴してもらえるよう活用できます。

ショップデザインとブランディング

出店後、ショップページの見た目やブランディング要素をさらに強化しましょう。初期設定で基本は整えていますが、運用が始まったらショップページのデザインをより魅力的にアップデートすると良いでしょう。季節ごとのバナーやキャンペーン告知、コレクションページの作成などはブランディングの核となります。プロフィール画像やビジュアルコンテンツも一貫したブランドトーンに合わせることで、ユーザーがプロフィールからショップページを訪れた際の印象が格段に良くなり、購買意欲を後押しします。

販売促進の即時実行

ショップ開設直後は認知度が低いため、集客と販促にもすぐ着手しましょう。具体的には、TikTokアカウントで開店告知動画を投稿し、既存動画にも商品リンクを付与します。Seller Centerのクーポン発行機能を活用して限定クーポンを提供したり、TikTokアフィリエイトプログラムに参加して外部クリエイターにも拡散してもらいましょう。開店直後から積極的にコンテンツを拡充し、TikTok内外でプロモーションを展開してショップへのトラフィックを増やしましょう。

以上が、出店後まず取り組むべき主なアクションです。早い段階でこれらを実行し軌道に乗せることで、TikTok Shopでの販売を早期に成長させられます。特にTikTok特有の「勢い」を活かすため、話題性のある動画やライブ配信を駆使して短期間でフォロワーや顧客を獲得する戦略が重要と言えます。

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この記事の監修・著者情報

マーケティングストラテジスト

林達彦

アパレルD2Cの立ち上げ、SNSディレクターとして新規事業立ち上げ、SaaS営業で大手・官公庁のDXを推進。マイナビではD2C支援、マーケティング支援、物流コンサルティング、システム構築支援を実施。TikTok・Instagramを軸にクライアントのECグロースを支援し、美容ブランドのフォロワー１年で＋2万人／売上大幅向上など多数実績。データドリブン×クリエイティブの融合で事業成果を最大化することを信条とする。