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IT導入補助金を利用してECサイトを構築!申請方法や注意点を解説

更新:
2023年11月16日

各事業を展開するにあたり、「できれば補助金や助成金を利用したい」と考える事業者は多いのではないでしょうか。

ECサイトを構築する際には、「IT導入補助金」を利用できる可能性があります。
IT導入補助金は、申請にさまざまな要件が定められています。また申請の枠が分かれているため、ECサイトの構築に適した枠での申請を行うことが重要です。

そこで本記事では、IT導入補助金の概要や申請の流れ、採択率を上げるポイントなどについて詳しく解説します。
IT導入補助金の申請を検討している事業者の方は、ぜひ参考にしてください。

IT導入補助金とは?

「IT導入補助金」の制度を利用することで、中小企業や小規模事業者がITにまつわるサービスやツールを導入する際の費用の一部を国が一部負担してくれます。
IT導入補助金は、以下2つの分類に分けられ、それぞれに適用条件が異なります。

•通常枠(A・B類型)
•低感染リスク型ビジネス枠(C・D類型)

通常枠(A・B類型)は、業務効率化や売上向上といった「経営力の向上」をサポートするためのITツールの導入費が補助対象となります。

低感染リスク型ビジネス枠(C・D類型)は2021年に新設された枠です。
テレワーク環境の整備など、「業務の非対面化」を実践するためのツール導入費が補助対象となります。

ECサイトの構築は「低感染リスク型ビジネス枠」の対象です。C・D類型の分類においては、以下の要件が定義されています。

•C類型:業務の非対面化や効率化をサポートするITツールの導入
•D類型:テレワーク環境の整備において必要となるITツールの導入

上記の要件から、ECサイトの構築はC類型に分類されます。

IT導入補助金の補助率と補助額

低感染リスク型ビジネス枠のC類型に絞った補助率と補助額は以下の通りです。

申請類型
補助下限額・上限額
補助率
C-1類型
30万円~300万円未満
2/3以内
C-2類型
300万円~450万円以下
2/3以内

C類型の中で、さらにC-1類型とC-2類型に分けられます。

この分類は「賃上げ目標」によるもので、C-1類型では賃上げ目標が加点対象となるのに対し、C-2類型は賃上げ目標が必須となります。
「賃上げ目標」とは、従業員の給与支給総額と事業場内最低賃金を上げることを目標とする要件項目のことです。

C-1類型は賃上げ目標が必須ではありませんが、目標を明示することで、審査時に加点対象となります。
対してC-2類型は、賃上げ目標の明示が必須であることに加え、達成できなかった場合は補助金の返還が求められます。

IT導入補助金の対象となる企業の要件

まず、先にも触れている通りIT導入補助金の対象となる事業者は、中小企業や小規模事業者になります。対象となる事業者の要件は、以下の通りです。

・日本国内で法人登記をしていて、国内で事業を営んでいる
・従業員の賃金が法令上の地域別最低賃金以上である
・gBizID プライムを取得している
・SECURITY ACTIONを宣言している

「gBizIDプライム」とは、中央省庁や地方自治体でさまざまな手続きを行う際に必要となる、法人を認証するシステムです。gBizIDのアカウントは3種類あり、企業の代表者や個人事業主が取得できるのがgBizIDプライムとなります。

「SECURITY ACTION」は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している制度です。中小企業や小規模事業者が、情報セキュリティ対策に取り組むことを自ら宣言します。事前に取得したうえで申請しましょう。

対象となる業種

IT導入補助金の対象となる業種は以下の通りです。
以下の資本金額や従業員数のうち、どちらかが以下よりも少なければ対象となります。

<中小企業>

業種
資本金
従業員
製造業・建設業・運輸業
3億円
300人
サービス業
5,000万円
100人
ソフトウエア業
情報処理サービス業
3億円
300人
旅館業
5,000万円
200人
小売業
5,000万円
200人
ゴム製品製造業
(タイヤ製造業等を除く)
3億円
900人
その他の業種
3億円
300人

上記のほかに、医療法人や社会福祉法人、学校法人においても、従業員数が300人以下であれば補助金の対象です。

一般財団法人や一般社団法人も、上記の業種を参照し、記載されている従業員数以下であれば対象となります。

<小規模事業者>


業種
従業員
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)
5人
サービス業のうち宿泊業・娯楽業
20人
製造業その他
20人

IT導入補助金を申請する流れ

IT導入補助金を申請する流れは、以下の通りです。

1.「ITツール」と「IT導入支援事業者」を決める
2.「gBbizID」の取得と「SECURITY ACTION」の宣言
3.申請
4.補助事業の実施
5.事業実績報告
6.交付手続き
7.事業実施効果報告

それぞれの流れについて見ていきましょう。

1.「ITツール」と「IT導入支援事業者」を決める

IT導入補助金では、補助の対象となるITツールや、ツールの提案・導入を依頼できる事業者が決まっています。

対象となるツールや事業者は、以下のサイトから探すことができます。

細かい条件を照らし合わせて検索できるので、IT導入補助金を申請する際は活用してみましょう。

IT導入支援事業者
ITツール検索:https://it-shien.smrj.go.jp/search/

2.「gBbizID」の取得と「SECURITY ACTION」の宣言

IT導入補助金を申請する場合「gBbizIDプライム」のアカウントを取得する必要があります。

取得していない場合は、アカウント発行までに2週間ほど要する可能性があるため、早めの申請が重要です。

アカウントをまだ取得していない事業者は、「gBbizID公式サイト」から発行できます。

また、申請においては「SECURITY ACTION」の宣言も必須なので、まだ実施していない事業者は以下のホームページから宣言しましょう。

3.申請

IT導入補助金は、補助金を必要としている事業者のみで申請することができません。IT導入支援事業者のサポートが必要です。

IT導入支援事業者と、交付申請に必要な事業計画を作成します。事業計画は、ツール導入における商談を進める上で計画しますが、時間がかかるケースがほとんどです。早めに支援事業者を選定し、事業計画を進めましょう。

事業計画が完成したら、以下の流れで申請を行います。

1.申請ページにて代表者氏名をはじめとする申請者基本情報を入力する
2.申請に必要な情報を入力し、必要書類を添付する
3.IT導入支援事業者が、導入するITツールと事業計画値を入力する
4.入力内容の最終確認を行い、申請する際に必要な宣誓を行って事務局へ提出する

4.補助事業の実施

申請が完了して事務局より「交付決定」の案内がきたら、IT導入支援事業者にツールの発注をして契約や支払いなどを行います。
交付決定の案内が届かないうちに契約や支払いを行ってしまうと、補助金を受け取ることができません。必ず案内が来てから。補助事業の実施へ進んでください。

5.事業実績報告

補助事業が完了したら、事業を適切に行なったことを証明する「証憑」という書類の提出が必要です。

まず、申請事業者が「事業実績報告」を提出する際に必要な情報や証憑を添付して、事業報告書を作成します。

IT導入支援事業者が事業実績報告の内容を確認し、支援事業者側が入力するべき箇所を入力します。

双方で事業実績報告の内容を確認し、申請事業者が事務局に提出するのが一般的な流れです。

6.交付手続き

事業実績報告を提出した後に、補助金額が確定します。補助金額は申請マイページで確認してください。確認後、確定した補助額が交付されます。

7.事業実施効果報告

補助金が交付されたら、「事業実施効果報告」を行います。申請マイページにて必要な情報を入力します。
入力後、IT導入支援事業者が「IT事業者ポータル」から代理提出を行います。

事業実施効果報告の提出が完了したら、IT導入補助金の交付に関する一連の手続き完了です。


IT導入補助金を申請する際の注意点

IT導入補助金を申請する際の注意点として、以下の4つがあります。

1.手続きに時間がかかる
2.補助事業の費用は一旦自社で支払う
3.状況によって未支給や返金となる可能性がある
4.対象となるツールを確認する

それぞれどのような注意点なのか、1つずつ見ていきましょう。

手続きに時間がかかる

先にも触れていますが、IT導入補助金は一連の手続きに長い時間を要します。gBbizIDプライムのアカウントを取得していない場合はその取得にも時間がかかるうえに、事業計画を建てる時間も必要です。

さらに、申請の〆切から交付案内までの日数が、1ヶ月以上掛かる可能性もあります。申請を行う際には、できるだけ早く各種手続きに取り組むことが望ましいです。



補助事業の費用は一旦自社で支払う

補助事業でITツールを導入する際の費用は、一旦自社で支払う必要があります。
交付案内を受けてから支払いを行い、実際に補助金が交付されるまでには1ヶ月ほどの時間がかかるといわれているため、それまでの資金繰りを計画しておかなければなりません。

また、先でも触れていますが、交付案内が来る前に支払をしてしまうと補助金が交付されません。必ず正しい手続きで進めることが重要です。

状況によって未支給や返金となる可能性がある

申請方法に不備がある、手続きが正しく行われていない場合には、補助金申請の採択を得られない可能性があります。
例えば、IT導入補助金はひとつの枠につき1回しか申請をすることができません。重複して申請した場合は減点となり、交付を受けられない可能性があります。

また、賃上げ計画を立てて申請しても計画が未達成の場合は、返金を求められます。
通常枠B類型では賃上げ目標が申請条件となっているため、この目標を達成できない場合は返金を求めると「IT導入補助金2023」によって定められています。

対象となるツールを確認する

IT導入補助金は導入対象となるツールが決められており、その中から自社の経営に必要なツールを選ぶ必要があります。
ただし、自社で導入したいツールが対象となっていない場合は、補助金の対象になりません。

対象となるツールを確認した上で申請を検討しましょう。

IT導入補助金の採択率を上げるポイント

「IT導入補助金2023」によると、2023年8月に発表されたIT導入補助金の申請件数と交付決定件数のデータから、採択率は6割から7割との数値が出ました。

10事業者のうち、3〜4割の事業者が不採択となってしまう可能性があるため、少しでも採択率を上げるために、以下のポイントを押さえて手続きを進めることが重要です。

・減点要素を取り除く
・加点要素を満たす
・賃上げ目標について
・書類を完璧に準備した上で申請する

IT導入補助金を活用したいのであれば、すべて押さえておきましょう。

減点要素を取り除く

採択率を上げるためには、まず減点となる要素を取り除くことが重要です。IT導入補助金2023の公募要項において、減点措置の要素として以下の2点を挙げています。

1.IT導入補助金2023において、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)で交付決定を受けた事業者
2.導入補助金2023において、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型及び商流一括インボイス対応類型)で申請を行っている若しくは交付決定を受けた事業者

※なお、1及び2において選択されたITツールと同一の機能(会計・受発注・決済・EC)を
有するITツールを導入する場合は更なる減点を行う。

引用元:IT導入補助金2023

加点要素を満たす

減点要素を取り除くとともに、加点要素を満たすことも採択率アップにつながります。IT導入補助金2023において、加点要素として挙げられているのは以下の6点です。

1.地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画(IT導入補助金の申請受付開始日が当該計画の実施期間内であるものに限る)の承認を取得していること
2.交付申請時点で地域未来牽引企業に選定されており、地域未来牽引企業としての「目標」を経済産業省に提出していること
3.導入するITツールとしてクラウド製品を選定していること
4.導入するITITツールとして「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を選定していること
5.導入するツールとしてインボイス制度対応製品を選定していること
6.A類型の申請者であって、以下の要件を全て満たす事業計画を策定し、従業員に表明していること

引用元:IT導入補助金2023
これらの加点要素に加えて、賃上げ目標を明示することも加点要素になるといわれています。

書類を完璧に準備した上で申請する

IT導入補助金は、申請においてもさまざまな書類が必要となる上に、採択後も事業実施効果報告の提出など、各種書類を作成・提出します。書類に不備があると減点対象となる可能性があることに加え、書類不備で申請が受理されないケースも考えられます。

作成する書類は必要事項を正しく入力し、添付書類を忘れずに添付して完璧な状態で手続きを行いましょう。

IT導入補助金の仕組みを理解してECサイト構築で利用しましょう!

IT導入補助金は行う手続きが多く、また交付までに時間がかかるケースが少なくありません。しかし、補助金額が最大450万円と、ITツールの導入を検討している事業者にとって魅力的な制度です。

IT導入補助金を利用したECサイトの構築を検討している事業者は、ぜひ申請することをおすすめします。
申請にはさまざまな準備や手続きが必要になります。時間がかかる手続きも多いので、早めに準備を始めましょう。

「マイナビD2C」では、ECサイト構築サービスを提供しています。スピーディーにECを始められるライトプランから、さまざまな機能を搭載できるプロフェッショナルプランまで、事業者の用途に応じたECサイトの展開が可能です。

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